| 2003年12月21日(日) |
動く影絵のファンタジー |
藤城清治さんの『動く影絵のファンタジー』(於『東京芸術劇場・中ホール』)を観た。
藤城清治さん……と云う名前だけではピン!と来ない方も、 藤城さんが描かれた『影絵』に見覚えの有る方は多い筈だと思う。 (「子供の頃、天気予報で観た」とか「地下鉄に良くポスターが貼ってある」とか。 実は私もお名前を知ったのは、つい最近なのです(^^;))
劇場の近くの『サンシャインシティ』で静止画展(『光と影の世界展』)もやっているのだが、 こちらは後日行く事にして、 先に『動く影絵』……『影絵とお話』を観てみる事にした。
演目は 『ブレーメンの音楽隊』 『泣いた赤鬼』 『銀河鉄道の夜』 『つるの恩返し』他。
実は正直な処、 あまり期待はしていなかったのだ(スミマセン(涙))が、 本当に、本当に、とっても、とっても綺麗だったのだ。
『影絵』と云っても『黒』一色では無く、 赤・青・黄・緑…… さまざまな色の『影』と『光』がキラキラと交錯して、 まさしく起きたまま夢を観ているかの様な美しい世界が展開されて行く。
『影』だけでは無く『光』にも、 いろいろな光源が使用されていて、 七色に輝いたり、くるくる回転したり、雪の様に降り注いだり……
投影されている影絵も人形や動物だけでは無く、 ピアノや銀河鉄道、鶴などが空中をふわりふわりと旋回している。
(一体、これは裏でどうやって映しているのだろう?)と首を捻ってみたが、 到底判る筈も無いし、屁理屈を捏ねながら観るなんて勿体無い程に美しかったので、 時間を忘れて見入ってしまった。
『影絵』は美しいし、 お話はどれも知っているものばかりなので、 何だか懐かしく、 観ている内に日々の雑事でささくれ立った気持ちが癒されて、 誰にでも優しくなれそうな気持ちになって来る。
楽しい時間には必ず終わりが来る。
やがて、この『動く影絵のファンタジー』にも最後の時間が来てしまった。
全ての演目の終了後、 作者である藤城清治さんが舞台上に現れた。
「それでは皆さん、 この『影絵』を映している裏側で、どの様な仕掛けが施されていたか、お見せしましょう」
するする……と『影絵』を映していた白いシーツが捲れ上がると、 その裏には『スライド』や『オーバーヘッドプロジェクター』などの機械や照明機材が ズラリと並んでいた。
『影絵』の中では重量を感じさせず、軽やかに飛び廻っている人形達も、 実は木製(?)で思っていたより頑丈な造り。
個人的に吃驚したのは『銀河鉄道』と『鶴』
人間の背よりもずっと高い空間を軽やかに飛行していたのにも関わらず、 操作している人間の影が全く映っていないので、 てっきり私は、 ピアノ線で吊って操作した模型を別に撮影して、 それをスライドで映しているんだろう位に考えていたのだが、 実際には、何と気象観測用の大きな風船を模型に付けて空中に浮かせて、 それをずっと、ずっと下の方から人間が操作していたのだそうだ。
他にも人間の手に依るさまざまな工夫が施されているのだろう。
今回私が観た『動く影絵』も『静止画』も、 藤城清治さんが一つ一つ手で丁寧に造られた物なのだ。
だからこんなにも温かみが感じられるのだろう……
また、この『影絵』にはかの『ダークダックス』の歌が付けられている。
『ダーク・ダックス』は藤城さんの大学の先輩なのだそうで、 『ダーク・ダックス』が昔、行っていた『あひるの会』と云う子供向けのイベントでは、 藤城さんが必ず新作の『影絵』を付けていた……と云うのを聞いて、 昔の子供達の方が、 感性的にはかなり贅沢に育っているのではないか?と感じた。
最後に藤城清治さんは、 彼の『影絵』のほとんどに登場する赤いとんがり帽子で笛を吹いている小人を指して、
「これは僕の分身です」
80歳近くになる彼の心は、 今でも軽やかに空を飛び廻る陽気な小人なのだろう。
(大変有名な方なので、既にご存知の方は多いと思われますが、 もし宜しかったら是非ご覧になってみて下さい。
『静止画展』は12月10日〜1月12日まで、 『サンシャインシティ・ワールドインポートマート6F』にて(入場料1000円)
『動く光と影のファンタジー』は1月17日・18日に『かながわドームシアター』でも 行われます。
チケットは4000円〜5000円と少々高め(涙)ですが、 たっぷり2時間半やって下さいますし、本当にとても綺麗ですvv)
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