Monologue

2002年12月25日(水) クラピカの『クリスマス勤務』日記2

指定された『302号室』の前に立つ。

腕時計の文字盤を確認する・・・・・・午後11時20分か。

ほぼ指定通りだな、よし・・・・と、
私は真っ赤な上着のポケットから仕事内容が書かれたメモを取り出して開いた。

『この部屋で寝ている『良い子』の素敵な『クリスマス・プレゼント』になってあげる事v』

・・・・・どう云う意味だろう?

メモに書かれた文章を繰り返し瞳で追いながら、しばし思考を巡らせる。

周囲の状況から察する処、

『この部屋で寝ている良い子『に』素敵なクリスマス・プレゼント『を』届けてあげる事』と
書くのが正解なのでは無いか?と推測される。

このメモはどうやら誤植の様だ。

おそらく私の仕事のマネージメントをしてくれているセンリツが間違えたのだろう。
彼女もクリスマス前後は合唱隊の練習や本番との掛け持ちで忙しいから、仕方無い。

私はドアのノブに手を掛け、
部屋の中で寝ている『良い子』を起こさない様に極力静かに廻した。

部屋の電気は点いていなかったが、
ベッドの傍のツリーに飾り付けられた電球がチカチカと瞬いて、室内を照らし出している。

「抜き足、差し足、忍び足〜〜〜っと・・・・・・」

小声でそっと呟きながら私は部屋の中へ忍び入った。


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