硬い身体を柔らかくしたい………と云うのは、 ダンスに限らず身体表現をやっている人の大半が抱えている悩みでは無いか?と思う。
(無論、悩み事はそれだけでは済まないが(涙)
かくゆう自分も股関節がメチャメチャ硬い(−−)
今夜も、レッスンでのストレッチの際、 無理矢理に開かれた両太腿の上にドッカリと乗られ、 「痛ァ〜〜い!!」と本気で泣き叫んだら、
「ななかさん(仮名)根性足りないよ!!」と一喝された上、 更にグイグイと押さえ付けられてしまった……(大号泣)
(こ、これが、レオリオ番長に×××されちゃったクラピカ先生の気持ちvかも……?)
そんな穢れた妄想で苦痛に耐え様とするななかさん(仮名)は、やっぱりおバカさんだ(恥)
稽古場でのストレッチは先生が見てくれるので、ほぼ安心だが、
「自宅で自己流のストレッチをしていたら股関節を痛めちゃって、病院に行ったの。
そしたらお医者さんに、
“その力尽くで無理矢理に伸ばすストレッチのやり方は整体学的にマズイと思う” って言われちゃった」
………と、今日一緒にダンスのレッスンを受けたE美ちゃんが言った。
すると、
その言葉を聞いていた先生が、
「そう云えば、ダンスやバレエやってる人って、背骨が真っ直ぐでしょ?
……アタシもだけど」
先生は自分のシャン!と伸びた真っ直ぐな背中を示しながら、更に続ける。
「これって本当はマズイらしいよ、整体学的に………」
予想外の言葉に吃驚する。
ちなみに自分は姿勢矯正の為に始めた訳では無いが、 ダンスを続けている所為で「姿勢が良いですね」と良く言われる。
「やっぱり継続は力」と、その時ばかりは、結構嬉しく思っていたのだが……(^^;)
「本来、人間の背筋って、ゆるやかなS字型にカーブしてる物なんだから、 ダンサーの真っ直ぐな背骨は“ずっと『ムチウチ』になってる状態”なんだって……」
極端に湾曲していたり、猫背になっているのは良く無いが、 あまり真っ直ぐ過ぎるのも人間の自然な姿では無いのだそうだ。
「あと、バレエのエクスサイズとかで、 本来、内股の日本人に、外向きに足を開かせたりするのも、本当はあまり良く無いらしいよ」
………え?そ、そうなんですか?(大汗)
継続13年目にして、初めて知る事実に驚愕しつつも、 心の何処かで納得している自分が存在する。
泣く程、痛い思いをしながら硬い股関節を力尽くで開く様にしたり、 曲がっている膝を真っ直ぐに伸びる様に訓練したり、 踊る為の筋肉をわざわざ付けたりするのも、 どこか『人体改造』めいた感じがしなくもない。
でも、だからと云って訓練する事を否定したり、中止したりは出来ない。
何故訓練するのか?
それは足がより高く上がる様になったり、長い時間バランスを取れる様になる為だっだり……要するに上手に踊れる様になる為。
その所為で、多少身体に負担が掛かるのは否めない……と思うのだが、
「ま、『芸術』だからね……多少の事は、仕方無いよ」
他の生徒さんがポツリと漏らした言葉に、チョットだけ背筋が寒くなったのも事実だ。
少し話は変わるが、
「ななかさん(仮名)は、 若い頃は筋肉の力だけで無理矢理訓練して来たみたいだけど、 もう、これからは筋肉は落ちる一方だから、骨で踊る事を覚えなきゃね」
ダンスの先生に、さらりと言われた一言で、 自分の身体内に有る『骨』の事を、改めて考えてみた。
上手く言えないけれど、 人間の身体は、やっぱり不思議だ、と思う。
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