| 2002年06月05日(水) |
ダブリンの鐘つきカビ人間 |
……と云う舞台を観てきた。
以下は内容に触れますので、観劇予定の方はご遠慮下さい。
時は中世。 『ダブリン』の町の住人の多くは奇妙な病に冒されていた。
目玉だけが異常発達し、3キロ先まで見通せるようになった病気、 背中に突然羽の生えてしまう病気。 知らない人の名前が口を付いて出て来る病気。 実年齢以上に歳を取ってしまう病気。
物語の女主人公おさえ(水野真紀さん)は、思った事の反対の言葉しか話せない病気。
(「きれいはきたない、きたないはきれい」……みたいな感じ)
彼女が愛した相手は『ダブリン』の町の鐘付き男(大倉考二さん)
彼は全身を醜いカビで覆われてしまう病気だったが、 その心は水晶の様に清らかで美しかった。
病気に冒される前の鐘付き男は、顔は天使の様な美男子だったが、心は醜かった。 (病気に依って見た目と中身が反対になってしまったと云う訳)
奇跡を起こすと言われる伝説の剣『ポーグマホーン』を手に入れ、 病に冒された町を救おうと、人々は奔走するのだが……
役者さんが皆、凄く上手くて、
ギャグがこれでもか、これでもか!!と効いていたし、 カビ人間と、おさとの純粋な恋物語も胸に染みた。
元・劇団新感線の橋本さとしさんが、 知らない人の名前が口を付いて出て来る病気に掛かった騎士を 面白おかしく格好良く好演していた♪のも良かったし、
伝説の剣を手に入れ様とする少女真奈美(遠藤久美子さん)が、可愛かったvv 小さな顔と、くるくるした大きな瞳が印象的だった。
彼女の高飛車な物言いと、 下男……じゃ無くて、 恋人役の聡(長塚圭史さん)との身長差がイイ感じに“レオクラ”っぽくって ヒソカに喜びながら観ていた(←何か間違ってる)
脚本・演出・出演の後藤ひろひとさんは最近、好きになった(^^)
脚本が面白い!し、本人も面白い!!(←伝わり難いぞ、この書き方)
伏線もきちんと生かされてるし……と肯きながら観ていたら、
……………今回は、ちょっと最後に、やられてしまった。
『お弁当』にたとえると、 個性豊か、味付け豊かな豪華なオカズを気持ち良く堪能していたら、
食べ終わる直前、 「この『お弁当』……実は素材は○○○だったんです」と予想外の事を言われてしまい……
物語の筋道は通っているので一応納得は出来るのだが、 何と無く釈然としない後味の悪さみたいな感じが舌の上に残った。
でもこう云う終わり方も決して嫌いでは無い。
演出家は、これ位観客をイイ意味で裏切れた方が良いと思う。 (↑エラそうでスミマセン(;;))
ここ3週間、観劇ラッシュだったが、これでしばらくお休み。
(このペースで毎週観ていたら本気で破産してしまう(^^;))
来週『H×Hミュージカル』のチケット取りが有るが、実際に観るのは8月だし。
予定が合えば、また後藤さん(^^)の舞台をもう1〜2本位観たいなァとも思うのだが……
舞台はやっぱり良い。
自分は、ここしばらく、いろいろな事をずっと悩んでいたのだが、 やはり表現したり、何かを創る作業は面白いと思う。
自分はもう歳だから、 本当はもっと焦る方が正しいと思うのだが……
もう少しだけ、あきらめないで、 のんびりとでも良いから、 頑張ってやって行こうと考えられる力を与えてくれる(^^)
(何だか、偉そうな書き方で本当にすみません(涙))
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