Monologue

2002年05月23日(木) 『お弁当』

……と云うお芝居を観て来ました(^^)

『ラックシステム』  三鷹芸術文化センター・星のホール

(以下は内容に触れますので、観劇予定の方は御注意下さい)




わかぎゑふさん率いる『ラックシステム』さんの『お○○』シリーズ。

(↑こう書くとアヤシイ(^^;)ですが『お正月』『お祝い』『お見合い』等です)


わかぎゑふさん(^^)は作・演出が面白い!だけでは無く、
少年から可愛いおばあちゃんまで演じてしまう、キュートで素敵な女優さんでも有る。
(ワタクシ大FANなのですvv)


今回のお話は、昭和16年頃、終戦間も無い頃から27年間、
大阪のと或る『寄席小屋』の『第2楽屋』兼『喫茶店』で寄席に出る芸人さん達の
『お弁当』を作り続けた一人の女性とその周辺の人々のお話。

終戦間も無い頃、
初めてアメリカの芸人が来る事になったが、
「アメリカ人の『お弁当』って何?」と首を捻る一同。

喫茶店のお客として偶然其処にいた米軍基地の喫茶店でウェイターをしていた男に
知恵を借りて、生まれて初めて“サンド・イッチ”の『お弁当』を作ったり……


売れなかった漫才コンビが、
最初は安い『お弁当』(オカズは“梅干”&“ソーセージ”1本だけとか)から
少しずつ人気が出て来て、
段々豪華なオカズ(“天ぷら”や“鮪”など)の『お弁当』が食べられる様になって行く……が、

もっともっとエライ芸人さんは『うなぎ弁当』を食べている(涙)

「いつか俺達も『うなぎ』を!!!」……みたいな話や、


時代が新しくなるにつれ、

『お弁当』を残したり、
「夕飯も“うなぎ”で被るとイヤだから」と云う理由で
「無料だから」と勧められた『うなぎ弁当』を断ったりする子供の話が出て来たり……


ラスト近くで、

同じ場所で、ずっとニコニコと頑張って『お弁当』を作り続けて来た『喫茶店』の女主人は
或る日、予想もしていなかった莫大な資産を得る。

だが彼女は、

「ここで皆の『お弁当』を作るのが好きだったから、楽しかったから……
27年間も続けて来られたの」と微笑って言い、

受け継いだ資産を使って『寄席小屋』をこれからの若い人達の為の『芝居小屋』に改造する事を決意して、物語を締め括る。

(ラスト間際では『神社』などでお芝居をする若い子達が増えていたので)


ただ『好きだから』と言う理由だけで何かをずっと継続して行く内に、
いつかそれが素敵な未来に繋がる……

こう云う話は、理屈抜きに胸が熱くなってしまう(^^)



お芝居や映画は『お弁当』みたいだなぁと思った。


子供の頃、毎日楽しみにしていたお母さんの『お弁当』

旅行の時に買う駅の『お弁当』

お祝い事の時に出る豪華な幕の内『お弁当』

バリエーション豊かでお手軽なコンビニエンスの『お弁当』など……


舞台設定やシュチエーションからお値段まで千差万別。


見た目(チラシや宣伝など)に惹かれても、

実際に蓋を開けて食べてみなければその味は判らない。


『お弁当』の蓋を開ける時のときめきは開演ベルが鳴る時のドキドキにも似ているし……
(←ちょっと大ゲサ^^;)


『お弁当』を瞳にした瞬間……そして実際に食べ始め……食べ終えるまでのドラマ。


見た目以上に美味しかったり、その逆だったり……
試しに半信半疑で食べてみたら、以外と好みでハマってしまったり……

欠かせないお気に入りのオカズが有ったり♪

『お弁当』を造る側にもドラマが有る。

「今日のオカズは何にしよう?
 最近ちょっとマンネリだから、たまには唐揚げとか入れてみようvv」とか、

「好きな彼氏に造ってあげるから、彩り良く可愛くしよう」とか、

「あの人は沢山食べるから、とにかくボリューム満点に。
でも栄養バランスを考えて野菜も入れなくちゃ」とか……


(ここまで書いて、
最近コンビニのパンとか『カロリー○イト』位しか『お弁当』にしていない自分に気付く(^^;))


自分も頑張って、いつか美味しい『お弁当』を造ってみたい。

『お弁当』一箱は無理だったとしても、せめてキラリ★と光るオカズの一品になりたいと、
ヒソカに夢見ている。



来週は『劇団★新感線』の『スサノオ』を観に行く。

主演の松岡昌宏さんのお味……じゃ無かった、演技がとても楽しみだ(^^)


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