Monologue

2002年05月20日(月) 残酷な童話たち

(5月20日の『HHR』を聴いて、つい考えてしまった事……

 格好良いクロロFANの皆様はご遠慮下さい(^^;))



9月2日  AM1:30頃  ヨークシンシティ某所


「『幻影旅団』の活動は主に盗みと殺しで、たまに慈善活動もする」

密会中に、ヒソカが発した予想外の言葉に、クラピカは訝しそうに眉を顰める。

「慈善活動……だと?」

「そう♪……老人ホームや孤児院を慰問して廻ったり◆

 クロロなんて、子供達に絵本を読んであげるのとっても上手なんだよ……」




「お兄ちゃん、絵本呼んでv」

慰問先の孤児院で、おさげ髪の少女に差し出された絵本を、クロロは読み始める……


「…………と、云う訳で赤頭巾ちゃんは狼に食べられてしまいました」

そこまで読むと、クロロはパタン!と絵本を閉じてしまった。

「え?それでおしまい?」

少女はキョトンと瞳を見開く。

「そう……シャルル・ペローが書いた『赤頭巾』は、これで終わり」

「ウソ……ッ!そんなのウソよっ!!」


おさげ髪の少女は意外な結末に悲痛な声を上げると、クロロから絵本を取り上げ、
泣きながら向こうに走り去って行ってしまった。


゛フゥ……゛

クロロは溜息を吐きながら、
「やれやれ……」と独りごちる。


「お兄ちゃん!絵本読んで!」

クロロの元に、一人の少年が大きな瞳をくるくるさせながら駆け寄って来た。

「ああ……」

そう答えて、また絵本を開いて読み始める……


だが、

「白雪姫を殺そうとした継母は、真っ赤に焼けた鉄の靴を履かされ死ぬまで踊り続けました」

「シンデレラを虐めた母と義姉達は、鳩に目玉を突付き出されてしまいました」

「ウサギは泥舟で悪い狸を水に沈めてしまいました」



「クロロは本好きだから、必ず原作に忠実に読んであげるんだよ◆」


(何て無慈悲なヤツだ!)

ヒソカの話を聞いたクラピカは戦慄し、それがクロロへの更なる憎悪を掻き立てる……




「お兄ちゃ〜ん!絵本読んで!」

ロングヘアの少女がクロロの傍に駆け寄る。

「ああ……」

そう答えて、また絵本を開いて読み始める……





「そ……そして……ッ…ウウ……ッ………ヒクッ…マッチ売りの少女は……

だ、大好きなお……おばあさんとい、一緒に……ッ……」


涙と鼻水をとめどなく流しながら、クロロは必死に読み進める。


「もう〜お兄ちゃん!泣いてばかりいないで、ちゃんと読んでよ!」





「……可哀想なお話はチョット苦手みたいだけど………でも、やはり彼はイイよ★」


ヒソカのうっとりとした呟きに、クラピカはどこか釈然としないまま首を傾げた。



(クールなクロロファンの皆様、本当に申し訳有りません(涙))


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