Monologue

2002年05月02日(木) 母の日

私の派遣先の会社では毎週2回、
朝礼の時に社員さんが全員の前で簡単なスピーチをする。

(テーマは『自由』。とにかく「人前で話をする」訓練なのだそうだ。
 自分は派遣なので話す必要は無い)


会社の後輩(新入社員)Kさんの「今日のテーマ」は、
「離れて暮らしているお母さんに『母の日』のプレゼントの花を贈ってあげた」事だった。

「頑張って選びましたが、母に送った後でも“アレは止めてこの花にすれば良かったかな?”と何度も悩みました。

プレゼント選びは「貰った人」の為の筈なのですが、
本当は「相手に喜んで欲しいと思う「自分」」の為に選んでいるのでは無いかな?と
選びながら思いました」

……と、話を纏めてKさんは一礼した。



それで思い出したが、もうすぐ『母の日』だ。

一緒に暮らしている母に改めてありがとうを言ったり花を贈ったりするのは照れ臭いけれど、彼女の話を聴きながら、やっぱり何かしてあげようかな?とチョット考える。


その後、

話を終えたKさんと入れ替わりに、上司が本日の勤怠届け(欠勤とか遅刻早退等)を

淡々と読み上げた。


「本日の欠勤はSさんとTさん、お二人とも『体調不良の為』

それと、

Yさんのお母さんが昨日亡くなられたそうです」


息が、止まった。

「……本日は告別式の為、午前中で早退されます」




神様って残酷だ。

もし仮に居るとしたらだけどさ……と、この時は思った。


人間は、いつどうなるか判らない。

人間と人間を別れさせるのも『死』だけとは限らない、けれど……


幸い、
ウチの母はとても元気だ。


散歩の途中、
拾った落ち葉を2枚、飼犬の頭に刺して、

「『犬夜叉』……なんちて」とか、やったりしているけれど……



せめて今日は、母の好物の『シュークリーム』を買って帰ろう。


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