Monologue

2002年04月06日(土) 表には裏がある(『恋花』〜蛇足編〜)

(『恋花』のイメージを壊されたく無い皆様はご遠慮下さい^^;)


「さぁ!行こうぜ!今夜の店はとびきりムーディだからよ♪」

そう言いながら、レオリオは赤薔薇の花束を抱えたクラピカの右肩を押した。

花束を両手に抱えたクラピカは嬉しそうに微笑うと、

「ああ」

そう答えて、レオリオと共に歩き始める。

「………処で、今夜は何を食べるんだ?」

「ん?お前……」

さり気無く尋かれた問いにレオリオは、うっかり答えを言い掛けた唇を慌てて押さえる。

「お前……?って、レオリオ?」
首を傾げるクラピカに、

「いや『お前』は俺が一番最後に喰……じゃねぇ、

お……おま、お前が好きな喰い物……に決まってんじゃねぇか!」


はははは……と虚ろに微笑いながら、レオリオはしどろもどろ答える。

その態度に……クラピカは何処と無く『陰謀』の匂いを感じた……


「さあ!着いたぜ!」

市内で最も高級なホテルに、タキシード姿のレオリオは堂々と入って行く……

ホテル内ではレオリオのタキシードに違和感は無く、むしろ良く映えている。

「カンパーイ!」

食前酒の入ったグラスをレストランのテーブルの真中でカチリ……と打ち合わせる。

「さあ!どんどん喰えよ!……ただでさえお前、仕事中メシ喰わなくなっちまうんだからよ」

“ああ……”と肯いて、クラピカはグラスを唇に付けて傾ける。

「……遠慮せずにどんどん呑めよ……」

レオリオはウインクしながら、自分もグラスを口に運ぶ。

「酔い潰れても良い様に、ちゃ〜んと『部屋』取って有るからよ……」

ニヤリ……と上がったレオリオの唇の端を見て、クラピカは先刻感じた、
あの『陰謀』の匂いを嗅ぎ取る……

「レオリオ……
 今夜は私の誕生日を祝ってくれるのでは……無いのか?」


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