Monologue

2002年03月12日(火) クラピカ先生の『修学旅行前日』日記(代筆ななか)

「明日から1年2年、合同の修学旅行だ・・・」

・・・・・と言った途端、

“わ〜い!!”と1年生の生徒達の間に歓声が沸き上がった。


「静かに!!」

教卓から、そう言い放つと生徒達のざわめきが一斉に止んだ。

普段私が受け持っている小生意気な2年生達に比べ、1年生達は何と素直なのだろう。


(まだ子供だな・・・あどけないものだ・・・(^^))


内心は、そう思いつつも、表面は厳しく接せねば・・・と、気を取り直して説明を続ける。


「修学旅行の引率は私・・・クラピカとセンリツ教頭先生、フィンクス先生、パグノダ先生、
フェイタン先生だ。

集合はヨークシン駅、中央改札に朝7:30だ・・・皆、遅刻するなよ!」

“は〜い!”と元気の良い声が揃って返事をする。

「1分でも遅刻したら、フェイタン先生に『拷問』されてしまうからな!」

・・・・・生徒達の顔が突然曇る。まぁ無理も無い。

だが、これで明日の遅刻者は『ゼロ』に違いない。


「今夜は寝る前に持ち物をチェックして忘れ物が無い様にするんだぞ!」

“は〜い!”と元気の良い返事。


「それから『おやつ』は300ジェニーまでだからな!」

“え〜!マジかよ?”と不満そうなブーイングが教室のあちこちから上がる。

特に不満そうなのは1年生番長のキルアだ。

「たった300ジェニーじゃ『チョコロボくん』3個しか買えねぇじゃねぇかよ!」

3個も買えれば充分では無いか?・・・と思うのだが・・・・

やはり世代の違いだろうか?


「は〜い!先生!」

ゴンが手を上げた。

「『先生』は『おやつ』に入るんですか?」


・・・・・・・・・・・・・・何を言っているんだろう?

やはり世代の違いだろうか?


「どういう意味だ?ゴン」

首を傾げながら尋ねると、


「さっき屋上でキルアと“修学旅行の『おやつ』に何を食べたいか?”って話をしてたら、

そこで昼寝してたレオリオが、突然 “オレは『クラピカ先生』”・・・・って」



・・・・・・・・・・・・・・聞いた途端、瞳の前が暗くなり、血の気が引いて行く・・・・・


「『先生』って美味しいのかな?」

キョトンと尋ねるゴンに、キルアがニヤリと微笑って、

「“もう『オカズ』にはしてる”って言ってたな・・・オッサン♪」



「え?明日からの修学旅行の引率を辞退させて欲しい・・・って?」

職員室に戻った私はさっそくセンリツ教頭先生に相談した。

「それは無理よ・・・もうホテルも予約済みだし、先生の数もギリギリだし・・・」

やはりダメか・・・と溜息を吐く。

「でも、どうして?アナタ楽しみにしてたじゃない?
修学旅行中は、三食きちんと美味しい物が食べられるって・・・」



・・・・・・・・食べられてしまうのは私の方かもしれないのだよ(涙)


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