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2002年08月26日(月) 『アテルイ』1か月公演終了2日前

<注>思いっきりネタバレです!!!
・・・というか、何がこの舞台のネタで、
何が史実か分からないので、全部ネタ扱い(苦笑)


びっくりするほど面白かった(*^^*)
新感線で泣いちゃったし。それも驚いたよ。
新感線ったら、寝るか笑うかだと思ってたし。
(アンチのたわ言です。読み流し よろしく。)
プレビューでは、あまりに物知らずで分からなかった、
神の話みたいなのが見えてきて、深み感じたし。
あれが「ねぶた祭」だとすら気づいていなかった、
初見の時の私(^^;ごめんよー。

大満足かと言われたら、まだまだ文句いっぱいです。
まず、坂上田村麻呂(堤真一)と鈴鹿(水野美紀)の関係を
最後の方で、もっとしっかり描いてほしいし。
実は蝦夷である鈴鹿の意味が、今回は少し理解できて、
それだけに、2人のつながりが どう育まれたかが
言葉だけで流されているのが、どうにも残念で。
神でも鬼でもなく、人である田村麻呂に惹かれ、
烏帽子から鈴鹿へと変わった重みが、実感しづらい。

単に、水野美紀の演技力不足で分かりにくいのかもだけど、
彼女の成長具合はすごくて、存在感も見えてきていた。
だから、すごーく新感線らしい、阿毛斗(村木よし子)や
佐渡馬黒縄(橋本じゅん)らの場面などを削っても、
何とか書き込んで欲しかったなと思ってしまうのは、
アンチ新感線な私だから?説明的になりすぎちゃう?

個人的には、じゅんさんの出番は減らしたくないですが、
舞台のバランスとしては、その方がいいかと感じます。
最後の方で、シリアスに大盛り上がっているところで、
一瞬 落としてみせた粟根さんみたいな笑いは好きだけど、
「ベタだよーー」って見える長々い笑い場面は苦手だもん。

でもまぁ本当に、悲劇のヒーローである
アテルイ(市川染五郎)は、最高!かっこよかったです(*^^*)
途中途中、ベタな笑いを眺めているお休み(笑)場面では、
苦笑っぽい表情なども拝めたけれど、基本は呆れるほど主役。
幼なじみを助けるため、神の化身を殺してしまったばかりに、
その神に見込まれ、いつのまにか、軍神として戦う立場に。
それに気づき、人として生きるため、改めて自らの神を殺して
倭と和睦を結ぶが、人として扱われず、鬼となる。
何だかもう、これでもかーー!って感じの悲劇で、見事。

きちんと話を理解してみれば、私が初見で、
染五郎ブラボー!だけ感じたのは当然だったのかも。
よく分からず見ていれば、彼だけが かっこいい話だもん。
でもそこで、人として立つ田村麻呂の姿が見えてやっと、
この舞台は重みを見せ、悲劇の度合いが増した気がする。
堤さんが、いい男だった。染五郎さんが、かっこ良かった。
もちろん 植本潤@紀布留部にも、目を惹かれまくったし、
西牟田恵@立烏帽子の悲しみも、すばらしかった。
でも結局は、この男2人の舞台だと感じられたことで、
プレビューでの私の「まあまあ」気分は、一気に飛び去って、
う〜ん・・・良かったぞ(*^^*)と思えたのでした。

おまけ。
「万世一系の帝」とか、帝の正体とか、
「敵と戦うためには、国が一つでなければ」とか、
ありがちだけど引っかからせる事柄もチラチラあって、
8月なだけに、少しずつは気にはなったけれど、
「散りばめさせて匂いをつけてみるだけ」脚本が、
うまいなーと、感心しました。



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