蛍桜

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思いをふける

今回も桜はさっさと散ってしまった

おそらく、もう、桜を見て、私のことを感傷に浸りながら思い出してくれる人はいない
自分でさえ、思い出さなくなってきた

でも、確か、誰かが、桜を見ながら私を思い出すと言ってくれたこと、私の気持ちに寄り添ってくれたこと、好きになってくれたことがあって、そのことだけは少し思い出せる

もういい大人なのだから
もうこんなに時間が経ったのだから
メールも、電話も、するタイミングも理由もなくなってしまった

ただいつまでもうじうじと、この日記に綴っていくのみ



桜が散ってしまってから気づくのだ
いや、だけど、思い出さないようにしているだけで、
桜が開花したと聞いたとき、
桜が見ごろだと知ったとき、
頭をかすめていたのは確かなのだ
きっと、もう、仕方ないのだ
それは私にとっての大切な過去だから、一部だから、ずっと残るのだろう

思い通りにならなかったあの日々が、辛くて、懐かしい
だけど私は、そこに留まらず、進んでいる


それなのに、まだここに綴ってしまうのは、
「同じ想いだよ」と言ってくれる誰かの優しい言葉や、懐かしいぬくもりが、恋しいからなのだと思う

あーあ、どうして、一緒に笑えなくなったのだろうね
どうして、一緒に歩けなくなったのだろうね
きっとそれなりの理由があったはずなのに、そんなのは忘れてしまった
ごめんなさい
きっと謝らなきゃいけないことはたくさんある

だけどもう、分からないから、そこにばかり囚われていても仕方ない
だからといって、今の幸せをだらだらとここに記すのもなんか違う気がして、ここの日記の存在していた一番濃い時代を思い出している
2017年04月25日(火)

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