蛍桜

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鍵を閉めて

「変わらないね」
君が言った

何も変わらない空気が痛かった
君はどこを、どう見て、どう感じているの
長い月日が私を動かしていたはずなのに
今ここに流れているのは
いつか吸った空気だ

好きとは言えないけれど
あの時は本当に好きだったよ
だから
全てを嘘にしてしまわないで


君はいたずらな笑みを浮かべる
変わらない


でも私は
穢れてしまった
何も変わっていないのだと見せかけているだけで
背中に映えていた羽はもうないし
君のもとへ飛んでいくことは出来ない
もう飛べない


あの時の海が荒々しく波打つ
決して綺麗な海じゃなかったのに
思い出はどうしてあんなにキレイだったの

暗闇の中 君を探して駆け出した
自分の中にある迷いを振りほどこうとした

出来なかった
だからだろうね
報いだったんだ

電車は乗りなれているはずなのに
いつもは行かない駅
いつもは降りない駅
いつもは通らない道
全て君のためのものだったよ

いつかここに、君以外の人と来ても
私は、もう、君しか思い出せない

変わった環境
余裕のない毎日

あの時も、そうだったっけ



二人からもらった鍵のネックレス

私、そんなに閉じこもってた?

開けてくれるなら、開けてほしかったのに


しばらくどこかに置き去りにしてた
それを、必死になって探したんだよ

心の、支えにしたくて




気持ちが分からない




また鍵をかけないと
やっていけそうになかったから

ごめん






私は今
誰のことも好きじゃない

私は今
誰のことも信じてはいない




分かったよ


不本意な使い方をしてごめんなさい
鍵を、かけるしかなかった








天道虫の時計は今どこにあるのだろう
あのテレビの脇にずっと、置いていたはずなのに

飛んでいってしまったのかなぁ


指輪はミッキーがしてる



何も私を飾らない



2006年09月14日(木)

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