蛍桜

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自分のために
誰を一番に信じれるのかという質問には
答えることはできないけれど
誰を一番信じたいかと言われれば
浮かび上がる顔があることに気づいた

嘘をつくことは容易いけれど
見破るのはとても難しい
この人だけは、嘘をつかない人だと思っていても
必ずどこかで嘘はつかれていて
それを知ったときに陥る絶望を
誰もが体験したことがあるだろう

「私はあの人を信じているから」と
言い切ることができたとしてもそれが本当かわからない
自分の心の中で本当だと思っていたとしても
それが実際、そういう感情なのか知っている人はいない
この世の中に本当という言葉を作った人は
どの様子を見て本当だと名づけたのだろう

私は誰かを同情したり可愛そうだと哀れんだりするほど
できた人間ではないし、上に立っている人間でもない
そういう感情を支配できるほど偉くもなければ
どの感情をそう呼ぶのかわからない部分もある
私とあの人は分かち合えているんだと言い切れる相手もいないし
もし言い切れたとしても、それはどこまで行っても
そう思っている時点で、対等にたっていることにはならない
同じ視線で同じ立場で物事を言い合えたら
それだけでどれだけ気持ちが晴れるかわからないけれど
人はどこか、上下関係をつけなければいけない
そうでないと、自分の立場がわからないから
自分の位置がわからないから
ひとつの居場所には一人にしか居られない
一緒に居ることなんて表面だけでは出来ても中では出来ない
あなたが本心を曝け出せるのは誰ですか?
先輩ですか、それとも、後輩ですか?
自分よりも立場が上の人ですか、それとも下の人?
そうやって考えていると、私は誰に全てを言えるんだろうと思う
人間関係なんてうまくやっていけるわけじゃないから
先輩とかと仲良くなっているわけじゃない
だからといって後輩にすべてを話しているわけでなくて
後輩とも別に仲良くやっているわけじゃない
だったら友達に全てを話せているかと問われても
それはどうなのか分からない
もし、彼氏と別れたいと相談し、具体例をあげたとしても
その例の中でどれだけ私が傷ついたかが分かるのは私だけで
「そんなことで別れなくてもいいじゃない」って思われてしまう
そう思われることが怖くて あまり話せないでいる

自分の気持ちを全部言葉に出来るほどの語彙を持っていないし
伝え方も知らない どうやったら全て伝わるのか分からない
だから、冷たく言ってしまえば自分のことが分かるのは自分だけで
それをどんなに「分かって」と訴えても誰もわからなくて
「誰も分かってくれない」なんて悩んでみても
きっとどこかで「分かってもらおうとしていない」のだろう
説明することが出来ないから「なんでもない」と言い
あの人たちは私の気持ちなんて知らないんだと嘆き
自分だけがつらいわけじゃない だけど
自分だけのつらさしか分からないから目の前が真っ暗で
自分が伝える術を知らなくて 誰にもこの気持ち
分かってもらえなくて でも、どうして分かってくれないのって
不安や不満がいっぱい充満して
多分、周りの人が精一杯心配している様子が馬鹿らしくて
明るく振舞おうとしても「なんかおかしいよ」って言われて
だけど、そのおかしさを、その中に隠れている本当のことを
知らないくせに、何を言うんだって思ってしまうし
笑うのにさえ疲れて休憩していると「元気ない?」と言われ
元気ないわけじゃないけれど、心の中のもやもやはとれなくて
笑えばいいのか、自分の中で諦めをつけていればいいのか
みんなはどれを求めているのか分からなくなって
いつもどおりの「普通」になんか戻れるはずなくて
誰も、私の心は分かってくれないって嘆いて
分かるはずなくて、ひとりぼっちな気持ちになってしまって

自分が、そうなってしまったときには
自分なりにがんばろうとは思う
いつかは抜け出せる気持ちだからがんばろうと思う
誰かに、優しい言葉をかけられても逆にだめで
気分を逆撫でしてしまって 意味がわからなくなって
「私は何してるんだろう?」そうやって問うことだったよくある
でも、そうやっているうちにいつかは抜け出せるから
私がこうなってしまったら、自分の気持ちを抑えれるように
がんばろうとするだろう いや、今までそうしてきた
けれど、誰かほかの人が、そうなってしまったときには
優しい言葉を下手にかけることも出来ないし
気持ちを分かってあげれるわけでもない
気晴らしに何かおもしろいことを言ってあげれるわけでもなくて
自分の無力さが馬鹿らしくなってきてしまうけれど
もし、それが友達ならば
そうなったとき、私がそばにいてあげれる存在になれたら
うれしいって思う
私には不満とか全てを話してほしいって思う
それは相手のためじゃなくて
自分の無力さが嫌でどこか役に立ちたいって
自分のために思っているだけのことだけれど
どこか自分が「上」だと決め付けているだけのことなんだけど
もし「対等」になれるなら対等になりたい
もし、私を頼ってくれるなら私もその人を頼りたい
たとえそのとき、私が「上」だったとしても
いつか、私が「下」になって、私の不満も全部聞いてほしい
対等になれないのならば、お互い、バランスをとって
対等に見せかけていけばいい
その場その場で上下が決まっても本当にそう思ってるわけじゃない
私は、昔からそう考えてる

なんとなくそんな考えを持っていたということを
過去の自分の日記を読みながら思い出して
「誰かの力になりたい」っていうのは偽善だけど
それと共に、自分のためという囲いを隠すための
わけのわからない正義だと思い込むしかなかった
それが、どれだけ相手を傷つけているかなんて考えなかった
みんな自分が可愛いんだって言葉
確かにそのとおりだと思う
だけど、そうやって考えてしまったら全てが悲しいから
私は、「自分のために誰かの力になりたい」
結局は自分が可愛いっていうことだけれど
どこかで、本当に、誰かと繋がっていたい
ひとりぼっちは、もう嫌だから

もう少しだけ、がんばれる気がする




2004.10.12  23:51
2004年09月30日(木)

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