うれしい出会い。 ――面白い本との出会いである! 面白いっていう感覚はいまだにわからない。つかみどころがない。 食欲ってどんな感覚なのかを宇宙人に説明するのが難解であるように、 考えの蓄積だけでわかる感覚ではない。 一方で、多くの人に支持されているヒット商品は、 「面白い、といわれているもの」である。 「大衆に受けるということ=面白いということ」と定義するのであれば 話はまた別なのだが、私の中ではそれは成り立っていない。 だから、ヒットした作品を鑑賞して「おお」と感じても、 その感覚はひょっとして「売れた作品だから感じる凄み」みたいな キナくさい自分の先入観が生み出したものなんじゃないかー、と 自分に対して猜疑心を持ってしまう。 ほんとにほんとに、面白いからヒットしたのかもしれないのに。 今回のは、本当にぜんぜんヒットしていない作品で面白かった。 こーゆーのだよ。 こないだ読んだのは、ぜんぜんヒットしてなくて、つまらなかった。 こーゆーのだよ。こーゆー「落差」だよ。大切なのは。 麻痺からさめたしびれた指先で、必死に凸凹を探っているような毎日。 あれ、まだ感覚がない。こっちも全然わからない。 だけどあるところに、「落差」を見つけた。まずはここからだ。 ここから始めて、いつか点字が読めるはず。 感覚を磨くというのはしんどい作業だ。 心の琴線の形を変える作業だ。 大学に入った頃からその作業にとりかかり、 大学を出て、その先を行き、仕事を始め、 いま、やっと第一歩が踏み出せたのかもしれない。 でもって先は長いのだ! |