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最後の一年生
2003年04月11日(金)

さらり、としていた。
梅酒の話ではない。
あまりにもさらり、とした行事だったので、
しかも周りで生活しだす人々のほとんどはみな知り合い同士なので、
すべてがさらりと通り抜けた。
だが通り抜けたあとでふっと気付いたことには、
この先の人生において私は「入学式」と呼ばれるものに
当事者として出席することはきっとないだろう。ということだった。
多分、これが最終学歴になるだろう。

塾に入る時の説明会に似ている。
『これからあんたら、受験生だよ。待っているのは辛いことばかりさ。
でもくじけずに頑張れよ。何が起こるかわかんないけど。』
受験よりは自由度があり納得して進められる闘いではあるが、
いやしかし闘いであることに変わりはない。
そういう場にこれから、一人残らず、それも間違いなく出ていく。
なんだか嫌だなぁ、こういうテンション。
過換気症候群に陥りそう。

春は、なにかと予期不安が一杯だ。
ああまた病気が来るんじゃないかなー、また一悶着あるんだろうなー、
と思うことじたいが体に悪い。
そんな気分を紛らわそう、とばかりにアホなことを言ってみたり、
筋肉を鍛えたいなーと思ってみたりするが、
あまり効果がないように思う。
地道にまっっったり暮らすしかない。

結局、「がんばれ」と言われる方向にある。
それを鬱陶しいと感じても仕方ないことなのだ。
がんばれる可能性がある、見込みが少なくとも0%ではない、と
誰かには見なされている証拠だ。
その期待に答えるついでに頑張るぜー、なんて調子づく一方で
それがある限り、自由になれない気もする。不思議なもんだ。

なんてことを考えながら、白い紙に変な絵を描いては
友達のパソコンに張り付ける昼下がり。
いや誤解するな、本人の許可を得ているからいいのだ。
……脳天気ってステキ。素敵っていうより、ステキ。