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発掘のあった日
2003年03月20日(木)

今日は学校で発掘があった。
掃除もしくは片付けという名目で集まったものの、
敢えてこれを発掘、と呼ぼう。

本当に様々なものが見付かるのだ。
「Tさんへ」と書かれた謎の紙袋を開けると、
中身は米だった。
この米の中にマイクロチップが入っているのか?それとも、
米(のように見える粒々)自体が「Tさん」という名前の生き物なのか。
何か秘密があるような気がしてならない!テンションうなぎ登りである。
今現在絶対使えないチューナーも出てきたし、
壊れたらしきゲームのコントローラーも出てきたし、
想い出のかけらもたくさん出てきた。
あの日の夢も、埃にまみれて見付かった。
そうさ俺達、いつからか汚れちまってないかい。
何の話かよくわからないが、ふと気付くと「さいたま」という街は
ネット上で相当いじられていた。

昼食を見ながらニュースを食べる。
いや、昼食を食べながらニュースを見る。
もうどっちでもいい。そのくらいのニュースを何人かで見ていた。
さてどっちへいったらいいのか判らない時代になったもんだ。
何を指針に判断したらいいのか見えにくいだけでなく、
実際今日これから何をするか?という選択肢の多すぎる時代なのだ。
我々を構成している無数の分子やら遺伝子やらが
何年何月何時何分何秒、どこでどうしているものか。
ミクロで考えてもマクロで考えても、どうすりゃいいのかわからない。
ただ悲しいニュースを見るたびに、電気的に何か走るだけだ。

そんな切ない気持ちもありつつ、今日は学校にお客さんがいらっしゃっていた。
うちの魚らを小さくほめられたので、魚屋のようなうれしい気分。
今日も活きのいいのが漂ってますでしょう。

家に帰ると、とっぷりと夕暮れ(昔話風)。
近所の商店街は不思議なことに、めぼしい店が次々につぶれていく。
今じゃろくな店がないわねーという不景気な話をしていた時、
母が悲しそうにつぶやいた。
「駅の向こうに引っ越してみたいわね……」
……夢が小さいよ。小さすぎるよ。
駅の向こうには望んでいることがらが何もかも待っていると
思っているんじゃないか?
それは勘違いだ。そんなことじゃ何も解決しないぞ。
俺は、駅の向こうを夢見て旅立った勇敢な若者を何人も見てきた。
だけどみんな、結局あんなことになっちまって……!
…………あれ、どんなことになっちまったんだっけ。
まあとにかく、住めば都だということだが。

帰り道に買ったアイスが美味だった。
mowという、牛の鳴き声みたいな牛乳っぽいアイスだ。
おいしいと寒いの饗宴。
そういえば今日の体感温度もそれほど高くない。袴は寒いんだろうな。
気味が悪いほど幸せで、風邪引きそうだ。