Back  Index  Next

幸あれ、とつぶやく
2002年07月03日(水)

朝からコーヒー。
コーヒーは(私にとって)ハレかケかでいったらハレの飲み物。
ちゃんと訳すと、「ちょっと珍しい」飲み物。
昨日と少し調子を変えて暮らしましょう、と思う時に飲むことが多い。

ちょっと長い旅をして学校へ。
先週も来たはずだが、いつもずいぶん久々に来る感じがする場所だ。
『学校=ほぼ毎日行くもの』、と脳のどっかが記憶している。

遠くからのお客さんに、うちの学校の良さを語ってみる。
駅から近い以外にも、いろいろ良いところが。
私個人の体験としても良かったところがいろいろあるが、
それは他の人とはズレていそうだし……。
真面目で学費が安くて、まともに頑張る人がわりと大勢いる。
犯罪の臭いが少ないっぽい。それだけで満足だ。

建物の玄関前で、
知り合いの知り合いが断髪式をしていたそうだ。
そうかそうか。
髪を切るさまをみんなで見守るということ。
社会人になったらなかなかできない(であろう)ことの一つだ。
ただ結構前になるが、テレビでゴルゴ松本が断髪式をしていた。
彼の頭の角(?)の部分をカット。
それをみんなで見守っていた。
カットするとワーッと拍手。ゴルゴは力が抜けた、と語る。
テレビの世界は、変わった大人の集団だ。

研究室が、おっ、涼しい。技術の進歩!すべてに幸あれ。

今の日本には「幸あれ」という言葉を使う人間も、
耳にする人間もあまりいないと思うが、
意外に多くの人間が「目にして」いるんだな。
…確かドラクエの教会で神父が「幸あれ」と言っていたから。
それほど使われていない、独特な言葉。
生き物でいったら絶滅危惧種だ。

そうだ、古典の教科書ってつまり標本だったんだ。
もう死んでから久しい言葉に防腐剤を注射して、
蝶をピンで刺すみたいに並べて眺めてみる。
もう生きていないそれらに夢中になる人もいる。
つまり死んではいてもそれなりの魅力がある、ということ。

日本語は奥深く難しい。
まず、外来語を取り入れすぎだ。
純粋に日本独自の文化なんて探しても探しても、
平安時代に女性の間で流行った『かな文字』くらい。
CD屋における「純邦楽」の割合くらいのつつましさだろう。
寿司ネタのイクラまでもロシア語だなんてあまりにもじゃないか。
そして書き言葉を発音すると重々しく聞こえ、
喋り言葉を正確に筆記すると幼稚に見えるわかりづらさ。
……日本語を『外国語』として一から学ぶ立場じゃなくて良かった。
日本語をぺらぺら喋る外国人は、
英語をぺらぺら喋る日本人以上にすごいような気がする。