非常に浮かれている。 というのも、昨日郵送されてきた成績のせいだ。 迫っている記事の〆切も忘れるほど。 思い出すのは去年の今頃。 一年間、毎回6時に起きて出席していた数学の単位を見事に落とし、 「あんなに頑張ったのに全て水の泡」とばかりに凹んでいた。 まさしく失恋の気分だ。とぼやくと、うちの母は爆笑。 「うまいっ」と言いながら大爆笑した。(彼女の笑いのツボは独特だ。) ――そんな出来事から一年。 この日記を読み返してもわかるが、常に統計学のことを 気にしていた一年だった。切ないほど強く。 心の傷が、やっと癒えた気がする。 失恋を癒すのは新しい恋ってか。 ……と考えると、世の中歌といえばラブソングが多いが、 中にはこういう学問の切なさを切々と歌った歌があっても いいのではないか、と思う(誰が作るんだか知らないが)。 単位の取れない切なさ、受験の時のあやふやな気持ち。 学問系ソング、というジャンルがあってもおかしくない。 そのくらい、本来学問は若者にとって切実な問題の一つであるべきで、 『本気でブルーになったりするもの』であっておかしくないのだ。 なのに、流行はみなラブソング。 あるいは、友情とか人生とか、そういう抽象的な感じの歌だ。 もっと現実的な歌が流行らないだろうか。九九を覚えるとか以外に。 みんなの悩みは、恋だけかい? そうじゃないだろ、ベイビー(誰?)。 もっとあるだろ、隣の犬がうるさくて眠れないけど 直談判しに行くのが怖いとか。(バラエティー生活笑百科) そんな泥臭さを、逆に勇気を持って表現する者はいないのか。 そういった意味では、ウルフルズの「借金大王」はすごい。 サビからして違う。 「♪貸した金かえせよ 貸した金かえせよ 貸した金 はした金じゃねえぞ」 最後の1行も大好きである。 「さっさとしねえと金も友達も消えてなくなるぞ」 ……これはいい。これぞ現実。切実だ。 こういう必死さが、今のJ-POPには足りないのだ! 日本古来の歌でいうなら、小野小町や在原業平の閑そうな恋歌より、 万葉集に収められているような、詠み人知らずの生活苦の歌の方が よほど心に染み、味わい深いように思える。 一生懸命が一番じゃねえか。(相田みつを風) |