バイト先の教え子に「なんで実社会に必要なさそうなことまで 勉強しなきゃなんないの」と訊かれた時、 自分でも予想外につらつらと答えていた。 『たとえば学力はお金みたいなもので、 無くても幸せに暮らす人は大勢いるけれど、 努力次第で増やすこともできる。 お金があれば何を買うかをたくさんの中から選べるように、 自分に合ってそうな学校をもっと自由に選べるんだよ。』 『お金』とはこりゃうまいこと言ったもんだ、座布団をくれ! とまた自分で自分を褒めた。落語に登場しそうな自惚れっぷりである。 高級料理が食いたい人はお金をたくさん貯めればいいし、 お茶漬けで十分だよと思えば、そんなにいらないかもしれない。 …問題は、どの料理が自分の胃袋にピッタリなのか メニューを見てもいまいちわからないということなんだな。 ……などと、資料を見つつ受験に関して考察。 妹が受験。……厳しい現実を考えつつ色々悩んでしまう。 でも本人以上に周りが必死になる受験というのは切ないもんだ。 幼児教室に子供を送り出し、終るのを喫茶店で待っている 母親たちのおしゃべりの中身は妙に先ばかり見ていると聞いた。 大学はどこがいいかとか、『今から悩むなよ』とツッコみたくなるという。 ちなみにうちの母親の場合、私に関する育児の悩みといえば もっぱら「変わった子だけど友達できるのかしら」だったという。 的を射ていて、切実だ。 |