結果は20問中19問正解の、19点でした。 「210個覚えさせといて、出題が20問ってねぇ。」 「ねぇ。」 と、友達とテンションの低い会話を交わす。 ちなみに例文は420文、和文英訳が出来る状態を 目標として勉強していた。 それでも一問間違えるあたりが、 完璧主義のなりそこないである。 ああまさしく人間たる所以よ、と考えながら 研究室に向かう。 そうそう、とM氏に仕事を頼まれる。 仕事が増えるのは全然構わない、というか 勉強になるし、むしろこんな危なっかしい奴に 任せて下さる勇気を褒め称えたいくらいだが、 問題はその〆切が、 「数学のテストとレポートの〆切」と重なっていること。 三つ、か……(と夕陽を浴びたような気持ちで呟く) …まぁ、どうにかなるさ。(小石を川に投げる気分で) こうやって()内に意味不明の演出を加えてみると 思い出すのが中学時代に歌った歌に付いている 「歌唱法ひとくちメモ」みたいな一文。 合唱の楽譜のタイトルがあって、 作詞作曲者名のわりと近くにそれは書いてある。 「いきいきと、はずむように」 「季節を感じて」 「郷愁をただよわせるように」 しかし郷愁って、中学生に求めてどうするんだろう。 そういうのはある程度歳取って初めて、 「あ……故郷って」みたいに噛みしめる もんなんじゃなかろうか。 中学生くらいだと、おそらく全体の過半数が 地元に飽き始めている年ごろだろう。 なんだか歌が歌いたくなってきた。 長い間歌わないと音感が腐りそうな気がする。 絵も音感も自転車のようなもんで、 一度会得すれば基本的には忘れない。……とは 思うが、でもあんまり長い間放っておくと 取り返しが付かなくなりそうだ。 できればどちらとも、一生縁を切りたくないなぁ。 |