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パニクりそうになりながら
2002年01月09日(水)

明後日までに作品集を(ある程度)作らなくてはならない。
それは今日突然言われたのではなく、
先月から言われていたことだった。

 「……」

どうにも、微妙。
明後日が怖い。
いや、自分自身の作品の出来は仕方ないとして、
問題は周りだ。
あの面子……知っている人は知っているし
知らない人は知らないことなのだが、
うちのゼミ同輩はとてつもない。
全員、どこかがスゴイ人達だ。
これはお世辞でも洒落でもない。
それまでの2年余りの学生生活の中で、
それぞれ、別々の理由で
小さく尊敬したことのある人ばかりだ。
たとえば斬新だったりキレイだったり、
アイディアが豊富だったり緻密だったり、
それぞれにスゴイ作品を作れる人達。

そんな尊敬できる所を持った人々の中で
育っていけることは幸せなのだ。ということを
十分に自覚した上で、

……また落ち込むんだろうなぁ。

その自分の落ち込みを予想するから、怖い。

人が凄ければ凄いほど、ちょっと凹むのだ。
本当にアホな話。非常に稚拙な感覚だけれど、
中学の時にテストが悪くて悔し泣きをした時のような
そういう単純な感情とは違う。
悔しいというよりは「どうしよう」に近い。
スゴイも悔しいも羨ましいも興奮も諦めも
全部含んだ「混乱」だ。
そして、自分は何か足りないなぁと思う。

最近はそういうことにもずいぶん慣れた。
なるべくその混乱を緩和するには、
少しでもましな作品を作る。
それだけ、なのだけど……。
年末年始は統計学に明け暮れていた私に、
あっと言わせられるような準備などはない。
良くも悪くも、いつもの私だ。

昨日キネマ旬報を読んだら、
脚本家の君塚良一氏の「脚本(シナリオ)通りにはいかない!」
という連載の中にこんな部分を見付けた。
「これだけは断言する。
 お金のためにものを創作することなどできない。
 ……その気力は、お金のためという動機では
 とても維持できない。
 お金のために作ったものが、
 人を面白がらせることなど出来るわけがない。」
これは映画やドラマの話なんだろうが、
何故か私まで納得した。そして安心した。
今の自分に出来ることをやるしか、
本当にそれしかないんだと思った。
周りの人がどうだとか、お金がどうだとか、
そういうことは後から付いてくるんだと思った。

その言葉を反芻しつつ、今日は地味にプリンターを修理。
少し、機嫌を直してくれたようで嬉しい。