先月以来、久々に電車に乗った。 毎日アホみたいに電車で通っていると、 もうそこが自分の家のようになってくる。 乗り換えは、隣の部屋に移ったという感じ。 階段を上って、降りて、 大勢の人とすれ違いつつ違う部屋に飛び移る。 駅も電車も、私にとっては自分と無数の他人とが 共有する大きな家のようなものかもしれない。 小さい頃は遊び場にしていたし、 勉強もしたし、本も読んだし、 眠ったり食事したりしてきた。 正直、一番ホッとする時間かもしれない。 なんの問題とも向き合わなくていい時間。 『移動中』だからカウントされない時間。 自分自身に何も期待されない時間。 本当の意味での自由時間…… 家で過ごす夜中のように、 何時まで眠らなくてはならない、という義務もなく。 だから長めの休みが明けると、電車に乗って 「ただいま」、という感じだ。 そんな電車との再会も束の間、 帰りにまたダイヤが乱れた。 ああくそぅ、これさえなきゃ電車に住んでもいいのに。 そういえば帰り道、電車で隣りにいた人が 昔の同級生かなぁ?と疑いつつも、 声を掛けられないまま30分ほど過ごした。 うーん、多分あの人だよなぁ。 |