Deckard's Movie Diary
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2007年08月15日(水)  図鑑に載ってない虫 ファウンテン

巷で評判が良いので観てきました。監督はテレ朝深夜ドラマ『時効警察(オイラは未見)』で名を挙げた三木聡。う〜ん、何処が面白いのか全く分かりませんでした。テーマがあるとすれば“生きていても死んでいても大差無いんだから、だったら生きていようよ!”みたいな感じなんですが、全編に渡ってしょーもないコネタが散りばめられていて、そんなテーマなんてどーでもよくなってしまいます。その押し付けがましくない辺りが“脱力系”と言われる所以なのかもしれませんが、オイラは苦手です。まぁ、ギャグセンスというのは人それぞれですし、一概に否定する気もありませんが、他人様には絶対お薦めしません。例えば、水野美紀がキッツイおならをして「実が出ちゃったかもしれないから、トイレ行ってもいい?」とか、乾いてないコンクリートの上をはしゃいで歩くとか、呼び鈴にアロンアルファを塗るとか、ヤクザが電車移動しているとか、ホルモン屋の店名が“内臓”とか、ナンちゃってのポーズを強くやりすぎて頭から血がピュ〜!とか、そんな程度のギャグが笑えるんですかね?そういうコネタっていちいち“どうよ!”って描くより、もっとさりげなく描いた方がセンスの良さを感じるんですけどねぇ・・・ナンだか、コネタが中途半端なんですよ。リスカの痕で山葵を下ろすシーンがあるのですが、だったら、そういうブラックネタで行けよ!と言いたくなります。ギャグのセンスに多少なりとも魅力的な部分もあるので、次作はもっとキチっとストーリーを描いた上でそのセンスを発揮してもらいたいものです(オイラは何様だよ!)。というワケで次作はこの秋公開の三浦友和、オダジョー、小泉今日子共演の『転々―てんてん』だそうです。松尾スズキは出てないようですから、一応観るつもりです(苦笑)。


『π』で注目され『レクイエム・フォー・ドリーム』で映画ファンの度肝を抜いたダーレン・アロノフスキーの新作『ファウンテン』。いやぁ、ダメでしたわ!なんですかねぇ・・・言いたいことや描きたいことは分かるんですけど、いかんせん強引過ぎでしょ!力技とも言えますが、かなりイっちゃってるんでついて行くのに骨が折れます。個人的にはヒュー・ジャックマンのテンションの高い演技が鬱陶しくて疲れましたし、宗教色の強い演出に失笑モード(ヒューちゃん、耳の形ヘンじゃね?とか・・・)でした。様々な宗教からの引用、語り継がれる永遠や生命の概念、ビッグバンに代表される誕生、“源”と云われる大樹や泉、指輪に纏わる物語・・・ありとあらゆるそれらしいモノ(ソレらしいモノって何?(自爆))をごちゃ混ぜにして、♪現在過去未来〜by渡辺真知子 って、描かれてもなぁ・・・。それなりの予備知識が無いとチンプンカンプン!っつーか、そういう知識に溢れている人たちにはメチャクチャ受けそうな・・・ある意味、嫌らしい映画とも言えます。この作品が最初からそういう“線”を狙っているというワケではありませんが、結果的にそういう状況になっているような気もします。いくらなんだって、もう少し分かりやすく作れないですかね?この作品を観る限り、ダーレン・アロノフスキーは当分ハリウッドメジャーから声はかからないでしょうね。でも、この作品でも5年かかっているからあまり関係ないかな。まぁ、レイチェル・ワイズをカミさんにしたことだし、とりあえず食うのには困らないでしょうけどね。


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