Deckard's Movie Diary
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| 2007年08月09日(木) |
リトル・チルドレン トランスフォーマー フリーダム・ライターズ |
監督としてのトッド・フィールドを一躍有名にしたのは初の長編だった前作『イン・ザ・ベッドルーム』ですが、そのストーリー展開にいまいち釈然しないモノがあり、個人的には苦手な作品でした。ただ、隙の無い演出力だけは記憶に残っていました。さて、5年ぶりの新作となる『リトル・チルドレン』ですが、コレは素晴らしい作品です!小生の大好きなジョン・アーヴィングの世界“人間は、しばしばこっけいであり、悲しいものだ by T.S.ガープ”にも通じる“ダメダメだからこそ愛すべき人間”に近い印象です。ただ、アーヴィング作品には前向きに生きていく人間模様(ある意味、楽観的な・・・)が描かれているのですが、トッド・フィールズ作品にはもう少し後ろ向きというか、生きていくのに足掻いている状況が見え隠れします。そういう意味ではアーヴィングよりシリアスな印象が残ります。また同じ名前持つトッド・ソロンズに通じる部分もありますが、彼ほどはシニカルではありません。
日本では20歳になると選挙権が与えられ、酒・煙草が許され、世間一般的には“大人”の仲間入りとなります。バヌアツ共和国ではバンジージャンプの原典であるナゴール儀式で大人の仲間入りとなります。つまり“大人”なんてのは便宜上の仕分けであって(肉体的な“ほぼ”成長終了という意味はあるでしょうけど・・・)、幾つになっても精神は成長?し続けているワケです。言い方を変えると、多くの人間は“子供”から“大人”になろうと、日々下手糞なクロールで終わりの無いプールを泳いでいるようなものです。この映画は大人になれない大人たちの話じゃなくて、少しずつ大人になっていく人間たちの話だと思いました。
プールサイドで隣の人妻の水着姿に目を奪われるのと、幼い異性に目が奪われるのは、異性に性的な欲望を持つという意味では同じです。例えばイスラム教では不倫は死刑に値するような行為(一夫多妻は許されていますが)だったりもします。もちろん、幼い性に異性としての度を越した興味を示すのは明らかに病気ですから、それなりに善悪の判断が出来る人間同士の泥沼不倫劇などと一緒に語れるモノではありません。どちらにしても人間とは出来損ないの塊で、その出来損ないの部分が人に寄って異なるだけで、場合に寄って滑稽な時もあれば悲しい時もあるというコトです。そして出来損ないの人間は、どうして自分ばっかり!と自分勝手に嘆き、ふと目にした隣の芝生が輝いて見え、まるで夏の虫が光り輝く炎に魅せられるのとなんら変わりもなく、炒られてしまう人も多かったりします(そうなの?)。
それにしても、かの二人が男は少年性、女は母性という定番の形で決着するのが(二人とも心の何処かで何かの理由が欲しかったのかもしれませんね・・・)、いかにも俗物的でいいですねぇ。物足りない人は渡辺淳一の小説でも読んでください(笑)。
<オマケ> タッチダウンを決めて、その瞬間を自分だけのプロムクイーンが図らずも見てくれて居て、子供のように大喜びしてくれたら・・・二度と味わえるコトは無いと思っていた人生最良の時が!!!そんな時、男は何でも出来ると思うものです!そりゃ、スケボーなんて屁の河童でごわす!彼にしてみれば♪空も飛べるはず〜♪っつー気分なのは間違いありません(笑)。
ハリウッド系娯楽大作映画のフロントランナー!マイケル・ベイの新作はブラッカイマーではなくスピルバーグとのジョイントで実現した日本製アニメの実写『トランスフォーマー』!とにかく、お湯をかけて3分で出来るようなマイケル・ベイ節が炸裂ですなぁ。決して貶しているワケではなく、インスタント・ラーメンの素晴らしさも踏まえて言ってます。ただね、それぞれにキャラ付けされているトランスフォーマー達なんですけど、セリフだけの性格付けなんで薄っぺらいんですよ。その辺りも相変わらずのマイケル・ベイなんですけどね。で、巷ではCGが凄い!という話をよく耳にしますが、そんなに凄いかなぁ・・・個人的には『シュレック』の髪の毛のが凄い!と思ってしまいます。だって、機械なんてCGが一番の得意分野じゃないですか!だいたい、どう変身しているのかも良く分からんし、敵味方も分からんし、何であんな人での多いところを戦い場所に選んでいるのかも分からんし、たくさん生まれちゃったチッコイ連中はどうなったのか分からんし・・って、ツッコミがCGからズレてますね。まぁ、こういう映画に細かいコトをグズグズ言ってもねぇ(苦笑)。どうせ、1匹逃げたから『2』はあるんだろうし、楽しみましょ!
『フリーダム・ライターズ』ぶっちゃけた話、実話だから観られるような作品の作りでしたね。もちろん、悪い映画ではないし、観て損もないですけどオンエアで十分でしょ!興味をそそられたのは、生徒たちが変わっていくきっかけになっているのが“知識”ってコトなんです。どんだけ無知なんだよ!とツッコミを入れたくもなりますが、そんなものかもしれませんね。あまりに狭い世界しか知らない井の中の子供たちが大海を知った時に自分たちの小ささを知る!みたいな感じでしょうか。ただ、日記を書かせるという手法は分かるような気もします。今のブログ・ブームや携帯での日記ブームとか、結局は自分のコトを分かって欲しい、共感して欲しい、共有して欲しい、つまりは寂しいんですね。お父さん、お母さん、食事時にTVなんか観ないで、もっと子供と話しましょうよ!
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