Deckard's Movie Diary
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2006年02月10日(金)  タブロイド

不安定に揺れる湖面・・・ファーストカットから不気味な印象を漂わせながら始まる『タブロイド』は、キセルみたいな映画でした。トップシーンから、コトが起こり、物語が動き出すまでは素晴らしい緊張感に満ち溢れ、傑作を予感させるのに十分です。ところが、時間が経つにつれ最初に受けた衝撃は徐々に打ち消され、忘却の彼方へ。それにしても、ここまで見事に失速する映画も珍しいんじゃないでしょうか。話が落ち着き、新たな展開がゆっくりと始まる・・・これから面白くなるんだろうなぁ・・・と、誰でも期待するところでしょう。それなのに!ああ、それなのに!本来でしたら、レクター&クラリスに勝るとも劣らない展開が待っているはずなのに、いつまで経っても小学生並みの凡庸なヤリトリが続くし、どうでもいいハンパなストーリーは挿入されるし、期待してしまった分、物凄く損した気分です(笑)。この中盤の脚本のお粗末さには呆れてしまいました。終盤、再び活気を取り戻すんですが、時すでに遅し!っつーか、どうして中盤が、あんなにも体たらくなのか不思議としか言いようがありません。初めと終わりの部分は金を払って観る価値は十分ありますが、真ん中部分は金をいただきたいくらいです。皮肉タップリのオチが効いているだけに惜しまれる作品でした。


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