Deckard's Movie Diary
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2004年11月19日(金)  透光の樹 変身

前売りが480円まで落ちていました。邦画応援団としては、それは買っちゃうでしょ(苦笑)。というワケで『透光の樹』です。この手の大人の恋愛モノというのは苦手なジャンルなんですが、自分の年齢と同じような世代の話なので、描こうとしている世界は分からなくも無いです。監督は前作『絆』で久々に本格的な手腕を見せた根岸吉太郎。今となっては、数少ない昔ながらの映画作家だと思うのですが、個人的には、いつも後一歩足りない印象です。今回もまた、もうひとつ食い足りません。頭で考えられるだけのモノしか出て来ない・・・そんな感じです。基本的に、お利口さんなんですよ・・・もっと狂気の部分が無いと、中年男女の濃密な純愛なんて描けないと思うんですけどねぇ。25年前の二人のなれそめや、ラストのエピソードの描き方もかなり弱いですし、二人の逢引きシーンも、何処かギクシャクしています。似たような設定の『失楽園(森田芳光監督)』もキレイ過ぎて物足りなかったし(っつーか、こちらは話そのものがなぁ・・・(苦笑))。往年の神代辰巳、田中登を受け継ぐのは『ヴァイブレータ』の廣木隆一なのかなぁ・・・。また、当初の萩原健一(降板劇がグチャグチャな様相になっているようですが・・・)に代わって登場した永嶋敏行・・・これがどうもねぇ、最初から判っていたとはいえ、全く色気がありません。当然、狂おしいまでに惹かれあう二人の関係が、薄い印象しか残せなかったのは仕方が無いコトなのでしょう。そのせいか、秋吉久美子の演技もスムーズさに欠けていますし、結局は、萩原の降板から、全てがチグハグなまま終わった作品といえるでしょう。


あのカフカの『変身』の映画化作品です。カフカの『変身』と言えば“虫”ですが、最初は「え〜!マジかよ〜」と思いましたが、観ているうちに段々と“虫”に見えて来ますし、考えてみればこれ以外の方法が思いつきません。立ち込める重い空気を映し出す映像も、繊細かつ大胆な演出も「おお!これぞ、カフカの『変身』の映画化だぁ〜」と感心して見入っていると、いきなりフィルムが切れたように終わってしまいます。それも、結末もちょっと違っています。なんなんでしょ!この解釈は!腑に落ちません。そりゃ、カフカの『変身』と言えば、その解釈の仕方は千差万別でしょうけど、幾らなんでもこのストーリーではオイラは納得出来ません!だいたい、グレゴール・ザムザが“虫”に変身してしまったことから起こる出来事をキチンと描かないとダメでしょ!もちろん、そのようなストーリーにはなっているんですが、どうしようもなく中途半端で歯がゆいです。終わり方もコレでは違う話になってしまうんじゃないでしょうか?主演のエヴゲーニイ・ミローノフの熱演が報われませんよ!


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