Deckard's Movie Diary
indexpastwill


2004年11月01日(月)  ピエロの赤い鼻 エイプリルの七面鳥 モーターサイクル・ダイアリーズ

最初は全く観る気は無かったんですけど、予告編でそそられてしまいました。まぁ、予告編は内容を見せ過ぎていたので不安はあったんですけどね・・・というワケで『ピエロの赤い鼻』です。さすがにスピルバーグが映画化権を買ったほどですから(またかよ!)、とても良く出来たストーリーなんですが、ストーリーテーリングが下手なので全く盛り上がりません。劇中で“現代”として描かれる時代は1960年代らしいのですが、分かり辛くピンと来ません。例えば、自分が子供の頃に聞いた親父の話・・・みたいな描き方もあったんじゃないでしょうか。自分の子供に話して聞かせる祖父の話ってパターンにしたら、もっと魅力的な作品になったかも知れません。監督のジャン・ベッケルは『モンパルナスの灯』で有名なジャック・ベッケルの息子であり、自身は『クリクリのいた夏』が有名ですが、同じ監督作『殺意の夏』を観ても分かるように、この手のキッチリしたストーリーは苦手のような気がします。良い話なんですけどねぇ・・・・ボソ。 



フラっと入った町の家具屋さんで片隅にポツンと置かれてある木製の椅子。一見どうってコトない椅子なのに、けっこうな値段がついている。誘われるように座ってみると、フワッとお尻を包み込んでくれるような座り心地に「お!」っと心の中で感嘆の声が漏れる。立って繁々と椅子を眺め、少し触ってみる。木だけで出来た椅子。どうしたらこんな座り心地になるんだ?そして、また座る、また「お!」。今度は手のひらで丹念に探りながら、その技に迫ろうとする。細かな曲線、微妙な窪み、すっげぇなぁ・・・と思いながら、離れた場所にいた友人を呼び「座ってみ!座ってみ!」と即す。そして、友人の口からも「お!」っと声が漏れる。とまぁ、ほれぼれするような“匠の技”(『大改造劇的ビフォーアフター』じゃないよ!)みたいな映画です。う〜ん、ちょっと違うなぁ・・・もっと軽い感じだなぁ・・・えっとぉ、数も多く無いし、ヘンテコな形のピースばかりなのに、始めると気持ち良いくらいカチ!カチ!っと、それぞれが納まる。で、完成した形は最初の雑多なピースからは想像も出来ないような素敵な姿。そんな立体パズル(そんなモンあるんかい!)みたいな映画でしょうか!う〜ん・・・ある意味、現代の感謝祭(Thanksgiving Day)の最良な姿ってのはこういうコトなんかなぁ・・・み〜んな、家族なんですよね!って、そんな感じ。まぁ、日本ではありえない祝日の形であるのは間違いないですね。さて、無駄な前置きが長くなりましたが『エイプリルの七面鳥』です。実に単純なストーリーです。仲違いしている母娘が感謝祭の日に一緒に七面鳥を食べる!ってだけの話です。『ピエロの赤い鼻』の良く出来たストーリーに比べると、なんの変哲も無い平々凡々な話です。それなのに、エンディングで胸に込み上げてくる熱いモノは比べようもありません。大事なコトもそうでもないコトも全てを日常生活の中でさり気なく垣間見せながら、全ての台詞、会話、場面、そして小道具までも無駄なモノはひとつも無く、そのセンスの良さは憎らしいほどです。観始めると、どんどん嬉しくなる映画とでも言うのでしょうか・・・仲違いしていた母娘の話が、こんなにも大きくて素敵なエンディングを向かえるとは思いませんでした。人間を見つめる眼差しはどこまでも優しく、おそらく監督・脚本のピーター・ヘッジス(『ギルバート・グレイプ』『マップ・オブ・ザ・ワールド』『アバウト・ア・ボーイ』等の脚本家、劇作家であり、今作が初メガホン。)という人は、どんな人間に対しても、何処かしら良いところを見つけられる人なんでしょう。しょーもないドラッグディーラーでさえ、ちょっとした小道具のヤリトリでお茶目に見えたりします。つくづく“センスの良い映画”というのはこういう映画なんだなぁ・・・と、再認識してしまいました。娘役ケイティ・ホームズの“あひるの百面相”も、母親役パトリシア・クラークソンの繊細に弾けた演技も忘れ難い『エイプリルの七面鳥』は、いつまでも胸の内に大事にしまっておきたくなるような、愛すべき小品と言えるでしょう。この母娘って一番の似た者同士なんだよ、きっと!あーあ、こういう邦画も観たいよぉ・・・ボソ。



『モーターサイクル・ダイアリーズ』はチェ・ゲバラの青春時代、若かりし頃の放浪を描いたストーリーですがハッキリ言って、どうってことない作品でした。だって、退屈ですよ、この映画!個人的にはウォルター・サレスの出世作『セントラル・ステーション』も何処が面白いのか良く分かっていませんから・・・f(^-^; ポリポリ。映画はあちこちをロケして丁寧に作ってあるので、それなりに見応えはありますが、全体に情緒に流れてしまって、説得力が感じられません。ナンだか・・・描き方が簡単なんですよねぇ・・・ダメ邦画の脚本みたいです。南アメリカ大陸で育っている人には感じるトコロがあるのかもしれませんが・・・、オイラには分かりませんでした。ダイアリーズのモーターサイクルも何処かにいってしまいますし(笑)。映画の出来としては、アララ〜って感じじゃないんでしょうか?


デッカード |HomePage

My追加