Deckard's Movie Diary
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2004年09月13日(月)  スウィングガールズ ヴィレッジ 河内山宗俊

『ウォーターボーイズ』で一躍メジャー・シーンに躍り出た矢口史靖最新作『スウィングガールズ』。想像していた通りの楽しい映画でした。ただ、悲しいかな、想像は越えないんですよ。矢口監督には、もうひとつ上の輝きを目指して欲しいんですけどねぇ・・・。矢口史靖という人の持ち味は良くも悪くもアマチュア風な匂いがあるところで、毎回手作りっぽい親しみやすさを感じるのですが、同じように全体に風通しが良過ぎるって言うか、ヌルい部分も感じます。ストーリーのアイデアやセンスは申し分ないので、監督としての“巧さ”を観につけたら素晴らしい娯楽映画作家になると思うんですけどねぇ。今回もかなりお粗末なところで演技にOKを出しているのも気になりますし、ギャグの間合いで全体のテンポがズレるところもあって、ところどころでブレーキがかかります。前半の泣きのシーンや後半の全員集合シーンなんてもう少し脚本を煮詰めて欲しいんだけどなぁ・・・。まぁ、全体に軽〜いノリのコメディを狙ったんでしょうけど、それにしては切れ味が今一歩です。この辺りは先日の山中貞雄『丹下左膳餘話・百萬両の壷』なんか参考にして欲しいモンです。それでも、大好きな作品に変わりはありません。全て吹き替え無しの演奏・・・よくぞここまで出来るようになりましたわ!巷では「上手くなるまでの描写がほとんど無いのが不満!」というのがありますが、そんなに気にならなかったなぁ・・・。どうせ上手くなるんだから、あんまりそういうシーンをダラダラ描かれても鬱陶しいだけなような気もします。上手くなる過程に具体的な面白さがあれば気にならないんでしょうけど・・・。


『シックスセンス』以降は『アンブレイカブル』『サイン』とお笑いミステリー路線を歩んでる(オイオイ…( ;・_・)ッ( ゚ー゚)ウキ…)M.ナイト・シャマランの『ヴィレッジ』。また今回も期待に違わず似たような塩梅です(苦笑)。相変わらず発想(話の骨格)は面白いんですけど、ストーリー展開がねぇ・・・気持ちは分かるけど、そりゃ無理矢理過ぎるだろ!って言いたくなるんですよ。今回は前2作ほどのスケールもありませんので、魅力にも乏しいですし大して笑えもしません(トホホ)。ただね、「マジかよ〜!そりゃ、ないだろ!(爆)」ってオチじゃない分、もっと上手く描けば面白い映画になったような気もします。だいたい、ハラハラドキドキとか戦慄のストーリーとか、怖がらせるコトに気をとられ過ぎなんですよ。そんなモン、怖がらせるモノがバレちゃったらソレまでですからね。それよりもヴィレッジの在り方とその周囲の関係をテーマにキチンと作ったほうが良い映画になったような気がします。というワケで映画はともかく、ヒロイン演じるブライス・ダラス・ハワードです。親父は言わずと知れたロン・ハワードですが、彼女の表情を見ていると『アメリカン・グラフィティ』に出ていた頃の親父の面影を彷彿させてくれて、ちょっと懐かしかったです。


『丹下左膳餘話・百萬両の壷』は91分、『人情紙風船』は86分、そしてこの『河内山宗俊』も82分と全て長いとは言えない尺です。オイラが言いたいことは、見終わった後の印象は確実に2時間はあるように感じる!ってことです。それは登場人物のキャラクターが端的にしっかりと描かれており、ストーリーに無駄が無く、短時間の間に中身が濃く詰まっているからなんだと思うんですよ。今回が初めて観た『河内山宗俊』でしたが、これもまた見応えのある作品でした。老兵は次世代に道を譲って、ただ消え去るのみ!切れ味の良いラストの描き方は特筆モノです!これが“粋”っつー奴なんでしょう!完成度は冒頭の2作品には劣りますが、それでも昨今の邦画に比べたら映画の面白さは十二分に堪能出来ます。今作品の見所のひとつはデビュー間も無い16歳の原節子です。素行の悪い弟を抱えて健気に頑張る可憐な少女役を演じているのですが、これは良いですねぇ(笑)。原節子という女優は何処か骨太っぽい印象があって、個人的にはあんまり好みの女優では無いのですが、今回ばかりはやられました(苦笑)。この映画の中では薄幸そうな素朴な女の子という佇まいで、河内山宗俊や金子市之丞が彼女の幸せを願って止まない気持ちが手に取るように分かります。今現在山中貞雄の作品は前記の3本しか現存しませんが、その3本のレベルの高さを知ったら残りの23本の作品が観られないのが本当に残念で仕方ありません!


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