Deckard's Movie Diary
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2004年09月01日(水)  MASK DE 41 16歳の合衆国 茶の味

「由井正雪のような長髪を振りかざしながら、長州力率いる維新軍の登場です!」あの古館一郎を一躍有名にしたプロレス第二期黄金期・・・アレからもう24〜5年が経つんですねぇ・・・(遠い目)。『マスク・ド・41』は猪木や長州力、タイガーマスクの登場に一喜一憂していた高校生が中年になった時の話です。リストラがきっかけで家庭崩壊した41歳の中年男・倉持(田口トモロヲ)は、何を血迷ったか趣味のプロレスに全てを注ぎこんでしまいます。オイラは少女やゲイの心の内なんて、ほとんど理解出来ないボンクラですが、妻子持ちで生活に疲れている中年男の気持ちは十分理解出来ると自負しております(笑)。まぁ、家庭なんて多かれ少なかれ問題を抱えているワケで、どうにか踏み止まっていられるのは収入があり、それなりに生活出来ているからで、その支えが無くなった時に色んな問題が噴出し一気に崩壊へ向かうってコトは良くあることです。この作品は崩壊家庭の描写と蛯脇(松尾スズキ)が絡んだプロレス部分の描写がいまいち噛みあわないので、映画としてのまとまりに欠けていますが、美味いけど形の悪いオニギリみたいな味わいがあります(苦笑)。オイラにはドタバタ風味の味付けがちょっと濃かったですが・・・それでもこの映画が好きです。情けない中年男が昔から好きだったしょーもない趣味で一念発起して、なんとか立ち直るというストーリーが自分的にはツボなんですねぇ(苦笑)。だって多くの男性って、毎日たいして好きでもない仕事(昔は好きだったのかもしれないけど、いつのまにか“好き”だけじゃすまなくなってしまいます)をこなしながら、チビチビと趣味の世界でストレス解消したりしてるワケですよ(って、勝手に決め付けてます)。で、何も無くなって四面楚歌状態になった時に、開き直ってその若かりし日々に燃えた趣味の世界で一旗揚げよう!ってのは、楽しいじゃないですかぁ!応援したくなります。現実では、抱えているモノが多ければ多いほど守りに入って無難に生きていくしかないのですが、そんな中年オッサンの溜飲を少しでも下げてくれる映画だと思います。倉持の妻を演じた筒井真理子が120%そんじょそこらに居そうな主婦を熱演していて好感触(笑)。ラストでの決着の仕方がまたまた痛快で、最後に来てさらにメートルが上がっちゃいました(ろぶさん的表現から引用)。また、切羽詰ってもヌル〜い親子関係とか、妙に力が抜けててリアルに感じました。まぁ、実際に大変なのはこれからですからね。特にお薦めはしませんが、オイラはこの映画は好きです!蛇足ですが、この映画の中で度々登場するプロレス仲間が集まる飲み屋ですが、以前オフ会の二次会で使った店です。花園神社横にある『唯唯』でした。オイラが学生の頃から出入りしていた店で本来は映画と音楽好きが集まる場所です。入り口に通じる階段には松田優作のポスターが貼ってあるんですよね。また皆で行きたいモンです。


『16歳の合衆国』・・・悪い映画では無いんですけどねぇ・・・どうにも散文的過ぎて、作品としてはまとまりがありません。ただ、それが観ている者に様々なコトを考えさせる要因になっており、観る人によっては深い印象を残す人も居るでしょう。結局はリーランドもアレンも良くも悪くもこの世界を生きていくバランスに欠けている(というかセンシティヴ過ぎる)人間としては同類です。一見平和に見える世界でも人は様々な罪を犯していますが、些細なモノだからと言って自分で免罪符を発行しています。そして多くの人間は人が犯した些細な罪に寛容に接して節度ある態度で対処します。それがある意味、この世界を潤滑に動かしているのですが、敏感過ぎる人には辛い暗黙の了解事項だったりします。もっと分かり易い過酷な状況、例えば人間としてのプライドを剥奪され殺人機械になるようにシゴかれても、多くの人間はジョーカーやカウボーイのように、いつのまにか慣れてしまい(麻痺とも言う)生きていく術を身につけていくのですが、中にはパイルのような結末を向かえる人間も居るワケです。話が逸れましたが、こういう内容の映画を作る意義はもちろんあるのですが(オイラも含めて、あまりに脳天気に生きている人間が多いですからね)、なかなか難しいモンがあります。今回は周りの人間にとらわれ過ぎたような気がします。結果的に、とても読解力を必要とする仕上がりになってしまい、いまいち釈然としませんでした。個人的にはラストの決着の仕方があまりに唐突な印象です。この落とし前では、リーランドが知的障害者のライアンを殺した話が曖昧になってしまったような気がします。つまりリーランドもアレンもヤバイ人達、こういう人って危険なのよねぇ・・・って感じでしょうか。まぁ、好みでしょうけど、もっと前向きな方向で終わって欲しかったです。


『茶の味』です。『鮫肌男と桃尻女』でデビューした石井克人はどんどん詰まらなくなってます。これは映画では無く、単に一発芸の羅列商品です。それぞれのエピソードが全くリンクしないので、いつまで経っても終わらないし、おじいちゃん(我修院達也)の残した物だけでまとめようとしたって無理!って、モンです。映画はそんなに甘くありません!今一度原点に戻ったらどうですか?小手先のセンスだけで映画が作れると思ったら大間違いです!そんな姿勢で騙されるのは、せいぜい上映中にメールをやってるような輩だったり、元々勘違い(なにを?)している人間だけです(苦笑)。センスの良い映像や魅力的なシーン、上手なセリフもあったりするので、もったいないと思うんですよねぇ・・・次回はキチンとストーリーのあるモノを演出して欲しいモンです。無理なのかなぁ・・・・ボソ。


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