Deckard's Movie Diary
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2004年05月12日(水)  パッション ジャンプ

全米で公開されると同時に物議をかもしたメル・ギブソン監督最新作『パッション』。簡単に言ってしまえば(簡単に言うなよ)原題にある “キリストの受難”を追体験する為だけの映画でした。例えば、これからカソリックの信仰に一生を捧げたいと思っている人はこの映画を毎日朝晩に1回ずつ観てキリストの受難を敬虔な気持ちで受け止め、信仰を深める・・・とか、まぁ、そんな風に活用出来る作品とか言っちゃったりなんかして・・・す、す、すみませんm(_ _)m。というワケで、舞い上がる土埃から滴り落ちる水の一滴まで、作り手のテンションが漲る作品でした。監督メル・ギブソンのこの作品に賭ける異様な意気込みが全てのカットから滲み出ており、高評価をする人々がいるのも理解出来ます。しかし、オイラはキリストのコトを良く知っているワケでもありませんし、特に興味もありません。当然理解し難い部分も出てきますし、ジム・カヴィーゼル扮するイエスに感情移入するのも至難の業です。また、理解の及ばない部分がこの作品にどういう意味で絡んでいるのかも全く分かりません。結果、オイラには拷問シーンばかりが延々と続く作品にしか感じられませんでした。逆に、ここまでそのようなシーンを生真面目に見せ付けられると、作品云々ではなく教育的指導をされているような気分にもなってしまいました。それは、タバコを吸っているシーンを延々と見せられるとタバコを吸いたくなくなるような気分になるのと似ています。結局は、そんなトンチンカンなコトしか感じられなかったオイラにはハードルが高過ぎる作品でした。でも、信じないからと言って目は突付かないでね、知らないだけかもしれないでしょダッシュ!ε≡≡≡ヘ(; -_-)ノ


突然、恋人が失踪・・・っつーシチュエーションに興味を持ったので観てきました。佐藤正午原作『ジャンプ』。監督はこれがデビュー作になる竹下昌男。突然彼女が消えてしまい、残される彼。彼女は何処へ?彼は彼女の足跡を辿って、やがて・・・・これはミステリーの手法、ある種の謎解きです。だからその謎が解けた時に「うっそ〜!」となるのか「なるほどねぇ〜」となるのか・・・結局は失踪した人間の心情が理解出来るかどうかにかかってきます。この映画の場合は現代における人間関係の希薄さがモチーフなので共感出来るところもありますが、それならば明らかに前半部分の描写が物足りません。しかし、全編に流れる実直なトーンには好感を持てます。おそらく失踪する南雲みはる(笛木優子)、残される三谷純之輔(原田泰造)、三谷の同僚・鈴乃木早苗(牧瀬里穂)の3人の糸がもっと上手く絡み合っていたのならさらに魅力的な作品に仕上がっていたでしょう。竹下の師匠にあたる根岸吉太郎辺りが監督していたら・・・残念です。それにしても失踪する南雲みはるの部屋の存在感の無さと言ったら酷いモンです。人が居なくなるんですから、その人がそこにホンの少し前まで生活していたような温もりが無いと説得力がありません。 壁にカレンダーのひとつもかかってないって、どういうこと?そういうところがダメなんだよなぁ・・・何度言ったらわかるんだよ(って、誰も聞いてないよ)。


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