Deckard's Movie Diary
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2004年05月01日(土)  Re:プレイ ソニー ロスト・イン・トランスレーション

なぜかK’s cinemaで公開されている『Re:プレイ』。原作・脚本が『アイデンティティー』のマイケル・クーニー、監督が『トンネル』のローランド・ズゾ・リヒター。これはチェックしたくなるでしょ!不安はK’s cinemaってだけだったんですが(笑)・・・

いやぁ、やっぱり見といて良かったです。さすがに一筋縄では行きません(苦笑)。『アイデンティティー』を御覧になっている方は分かると思うのですが、何を言ってもネタバレになるので書き方が難しいです。『アイデンティティー』ほどの切れ味は無いので、かなりこんがらがります(苦笑)。何故?の疑問も多少残りますが、なるほどねぇ〜!と納得出来るオチにはなっています。ただ、このオチは今までもあったような・・・ボソ。

あ、そうそう!なかなかセンスの良いエフェクトどなぁ・・・と、思っていたら、エンドロールで懐かしい名前を見つけました。70年代から80年代にかけてピンクフロイド、ツェッペリン、ピーター・ガブリエル、ユーミン等のジャケット・デザインで名を馳せた“ヒプノシス”がヴィジュアル・エフェクトに絡んでいました。まぁ、考えてみれば今の時代、映像関係に進出していてもナ〜ンの不思議もないですからね。最後に・・・K’s cinemaなんですが、小綺麗な映画館でした。従業員の対応も拙いながら良かったですし、また行ってみたいですね。



『ソニー』・・・ニコラス・ケイジ初監督作だそうです。まぁ、はっきり言って“見出し”ばかりの映画というか、行間が無いというか、雑誌の中吊り広告みたいな映画というか、全然はっきり言ってないじゃん(自爆)。登場人物がいろいろ行動を起こすんですが、そのバックボーンが全く分かりません。っつーか、おざなりです。だから全く感情移入出来ません。こういう世界ってけっこう好きなんですけどねぇ・・・ゴミ溜めから抜け出そうとする青春モノ・・・なんつーか、ATG(また出たよ)っぽくてね。まぁ、ハリー・ディーン・スタントンが渋かったからイイや!って、なんだそりゃ!本当は3時間くらいの力作を無理やり1時間50分にまとめたのかもしれませんね!って、そんなアホな(苦笑)。



<ネタバレしています!>
アカデミー賞脚本賞受賞、ソフィア・コッポラ監督の『ロスト・イン・トランスレーション』。映画の日とはいえ、1時間前で既に立ち見!Σ( ̄□ ̄;) 3時間後の次の回にするのもバカらしいので通路で座って観てしまいました。

ビル・マーレイとスカーレット・ヨハンセンは素晴らしく、監督の狙いを完璧に表現していると言っても過言ではないでしょう。二人は“異国での疎外感”の中で生まれた淡い恋愛感情を巧みに表現してみませます。そして、その疎外感を際立たせる場所として“東京”が選ばれたワケです。つまり、この映画における“東京”は単なるバックボーンとしての登場だったんです。英語の出来る日本人とも遊びました。カラオケもやりました。歌舞伎町でも遊びました。京都にも行きました。生け花もやりました。富士山に向かってゴルフもやりました・・・・でも“東京(日本)”の文化を理解するような場面は無く、歩みよることも全くありません。病院でのやりとりは単なるコントのノリで楽しめますが、またかよ!という印象です。まぁ、外国人は「そう!そう!」って膝でも打つんでしょうけどね(苦笑)。

目の前に提示され、言葉が通じないモノは基本的に理解不能。言葉を越えて感じるモノは一切描かれません。描かれるのは同じ穴の狢である二人の感情だけです。この映画に脚本賞を与えるアメリカ人の感覚は、まさにアメリカ人ならではの傲慢さを感じさせます。ソフィア・コッポラが「私は、東京への愛、東京の魅力を描きたくてこの映画を撮ったの。」と言うところの“愛”が、この映画の何処にあるのか全く分かりませんでした。なぜなら、東京を単なるディズニーランドの新アトラクション“トーキョー国”としか捉えてないからです。

個人的にはソウルや北京、バンコク辺りが舞台だったのなら、もう少し高い評価になっていた可能性は十分あります。ただ、ソウルが舞台だったとしても、韓国の方に「韓国人から見たらどうなんですか?」と聞く耳は持っているつもりです。何処かのおエライさんのように、自分の経験ばかりを相手に押し付けるようなコトは避けたいと思います。が、しかし!この映画は日本が舞台です。普段から、外国の方に日本を理解してもらいたいと思っている自分には苦い映画でしかありませんでした。まぁ、そんなコトはどーでもイイや!という日本人も大勢いますからね(苦笑)。そんな輩で連日シネマ・ライズは大騒ぎ!(´―`)┌ ヤレヤレ…。

それにしても、広告撮影現場、通訳、売春婦、たった一人でやってくる200万ドルのハリウッドスター(パンフレットには2万ドルって書いてありますが、まぁ、どちらにしてもオカシイです)、以上はデフォルメを通り越してデタラメですよ!「おとつっぁん、おかゆが出来たわよ♪」「カァーット!」「安田ぁ〜!」・・・キントト映画じゃないんだから(って、こんな古いネタなんかワカンねーよ(自爆))。まぁ、アメリカ人が何をどう思おうと構いません!だけんどもしかし!テメェ達が世界基準だなんて大間違いだ!っつーの。バカァ〜!しかし、エンディングソングの『風をあつめて』・・・どういうつもりなんでしょう。あ、そうか!日本のCM等が歌詞の意味に関係なく雰囲気だけで使ってるコトへのオマージュですね(オマージュかい!)


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