Deckard's Movie Diary
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2004年03月16日(火)  花とアリス

岩井俊二は誰もが(?)認める(であろう)力のある映画作家だと思う(⌒o⌒;A。彼の作る映画は今の邦画界では珍しく個性的で、未見だとしてもランダムに選んだ数十本の作品の中から彼の作品を選ぶのはさして難しい事ではないでしょう。長編映画としては『Love Letter』『スワロウテイル』『リリイ・シュシュのすべて』に続く今作もまた“rockwell eyes presents”のロゴからエンドタイトルが消えるまで“岩井ワールド”などと呼ばれる詩情豊かな映像世界で溢れており、その映画空間を構築する力には脱帽するしかありません。全ての画は色もライティングも小道具も一寸の隙もない拘りが感じられます。“記憶喪失”という定番のネタを逆手にとった恋愛劇もまた興味深く(少女漫画風ですけど・・・)『Love Letter』で見せたストーリー展開の上手さもこの監督の魅力のひとつです。が、しかし!ストーリーに付随したシーンが必要以上に長く、全体には緩慢な印象を残す結果になっています。そして、この映画の完成度を低くしたその“付随したシーン”こそが、岩井俊二の映画作りのアインデンティティーでもあり弱点でもあるのです。私は言うまでもなく男性です(笑)。岩井俊二と同じように一時期の少女が放つオーラに魅力を感じます(自爆)。しかし!何においても度が過ぎれば見苦しいものですし、ましてや対象が“少女”ともなれば度が過ぎるだけではすまない可能性だってあります(・_・)ヾ(^o^;) オイオイ。『花とアリス』は明らかに少女愛好趣味の度を越した映画だ!・・・と、思う(歯切れ悪ぅ〜)観ているこちらが気恥ずかしくなるくらいです。岩井俊二の少女愛好趣味が歳を重ねるにつれ酷くなっているように思うのは私だけではないでしょう。彼の映画に出てくる少女達は除菌消臭ファブリーズの膜が張られたようなキャラばかりです。2時間15分もの間、その“過剰な少女愛好趣味”さえ耐えられればそれなりに楽しめます。しかし、彼の嗜好がもっと抑えられていたら・・・この映画はとても良い作品になった可能性もあるので惜しまれます。昔の岩井なら気がついたと思うのですが・・・(苦笑)。それにしても、アリス役の蒼井優がかなり上手くなっていて、ちょっと驚かされました。


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