Deckard's Movie Diary
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2003年12月17日(水)  1980 女はみんな生きている

『1980』。ケラリーノ・サンドロヴィッチとか言うケッタイな名前の監督さんなんですが、彼は今や演劇界をリードする存在らしいです。まぁ、早い話が元“有頂天”のケラのコトなんですけどね。というワケで第1回監督作品がコレ!全体的にテンポがゆるゆるで、ところどころすっげぇ拙くて学生映画と見間違えるようなお粗末なシーンもありますが、単純にケラケラ笑えます。1980年の年末が舞台なんですが、小道具やセット、抜けに見えるポスター等、当時を知る人間には嬉しいコネタが満載。登場人物はそれぞれ味があり、ストーリーも飽きさせません(テンポはゆるゆるで、お粗末なシーンはしょーもないですが(笑))。ただ、観終わって「だから、何?」という感じもしないでもありません。アナログからデジタルへ、そしてやがて来る世紀末。過渡期を向かえる人々の落ち着かない心情・・・それなりに上手いセリフもあるので、もっと凝縮されていたら秀作になったような気もします(お粗末なシーンは除いてね(しつこい!))。予告編でも聞かれた及川光博の♪セルロイドの夜〜♪って、自作自演なんですねぇ。いい歌じゃん(苦笑)

『女はみんな生きている』。とにかくストーリーが上手く、感心してしまうくらい良くまとまっています。娼婦の過去の話が長すぎて(長すぎるくせに分かり辛い!)、そのワリには最初のところで今現在の主婦の立場の描写が無いのは不親切ですが、まぁ、テンポ良くサクサクと進むので観ている方は強引に引きずり込まれ、それは決して悪い気分でもないです。そして、この映画はバイタリティ溢れる女性が大股で闊歩するような颯爽とした見事なラストシーンを迎えます。男の間抜け具合も全編に塗されたコメディ風味も嫌味が無く、ここまで上手く作られると降参するしかないでしょう(笑)。で、気になるのは、やはり娼婦の過去の重さであり、あそこまで複雑にする引っ張る必要があったのか?個人的には・・・?でした。


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