Deckard's Movie Diary
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2003年10月01日(水)  クジラの島の少女 キリクと魔女 リード・マイ・リップス

本日は映画の日!頑張るぞ〜!(って、なんなの!)

何故か優秀な映画人を輩出続けるニュージーランド。トロント、サンダンス、ロッテルダムと高い評価を受けてきたニュージーランド映画『クジラの島の少女』は紛れも無い秀作でした。そしてこの映画の成功はヒロインを演じたケイシャ・キャッスル=ヒューズの存在なくしてあり得なかったでしょう。物語は非常にシンプルなのですが彼女の演技が素晴らしく、説得力があるので観る者の心に響いてきます。チラシに「ニュージーランド版『風の谷のナウシカ』」とか書いてありましたが、上手い表現だと思いました。マオリ族というと数年前に流行った「頑張って!頑張って!」というドリンク剤のCMを思い浮かべてしまう程度の知識しかありませんでしたが、これからは『風の谷のナウシカ』と対にして『鯨の島のパイケア』という物語も記憶にとどめたいと思います。それにしてもあのクジラは良く出来てたなぁ・・・ボソ

ジブリが提供する洋画アニメ『キリクと魔女』。このアニメの感想文は友人の女性が書いた文章があまりに素晴らしいので引用させていただきます。

「お母さん、魔女はどうしていじわるなの?」
「魔女だけじゃないからね・・・」
キリクの母親は知っている。
人間を知っている。人生の不公平さを知っている。
だから、全てを諦め、不幸も幸福も同じ物として受け止めている。
そう、人間は暗黒面や弱点を持っている。
その残虐さや狡猾さや臆病さは、時には他人を滅ぼし、我が身をも滅ぼしてしまうだろう。
しかし、それでも希望がある。どんな世にも、英雄は必ず生まれるのだから。
英雄とは悪魔を退治する者ではなく、流言に惑わされる事なく、真実を見ようとする者だ。
英雄とは、人を妬んだり恨んだりせずに平穏な心を持った者だ。
英雄とは、自分に他人に誠実な人間だ。
英雄は、私達の中に居る。

小生には、これだけ簡潔にこの映画の真髄を表した文章は書けません。だから具体的なコトだけ付け加えます。色使いが素晴らしい!浅野温子の吹き替えが素晴らしい!ユッスー・ンドゥールの音楽が素晴らしい!そしてこの寓話は今の時代に一番必要としている説話なのかもしれません。

『アメリ』のオドレイ・トトゥを押さえてエマニュエル・ドゥヴォスがセザール賞・主演女優賞を獲得した『リード・マイ・リップス』。かなりJUST MY TYPE!(古いなぁ・・・っつーか、わかんねぇーよ!ヒントはキャンディス・バーゲンが出てました)の映画でした。この映画では読唇術がキイになっているのですが、想像していたより“クライム&サスペンス”の匂いが消えていたのは個人的には好感触でした。しかし、あまりにリアルなヒロインの行動が観る人を不快な気分にさせるかもしれません。神経質なシーンや盗み見するようなシーン、細かく構築されたストーリー、音や画作りの緩急のつけかたも上手いです。ただ、その丁寧な積み重ねがちょっと散文的過ぎるので、最後にカタルシスを昇華するところまではイかず、欲求不満が残るところが残念でした。個人的には好きなタイプなので全く問題ありませんでしたが(苦笑)。とにかく、すっげぇ地味な映画です。前髪を下ろした相手役のヴァンサン・カッセルもヘタレなチンピラ役が似合ってました。邦画だったら往年の伊佐山ひろ子とジョニー大倉辺りでしょうか(古いよ!っつーか、マジで地味!)しかし、意味不明なサイドストーリーは一体なんだったんだ?


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