Deckard's Movie Diary
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2003年04月22日(火)  CHICAGO わたしのグランパ

 今年のアカデミー賞主要6部門を獲得した『シカゴ』です。個人的には十分面白かったです。まぁ、アカデミー賞に値するかどうかは意見の別れるところでしょうけどね(苦笑)。ストーリーだけの話をしちゃうとけっこう重いので、それが納得出来ない人もいるとは思います。でもミュージカルですからねぇ(笑)。そんなコトを言うのは野暮ってモンでしょう。難を言えば、もっとシニカルだったり、ブラックジョークが効いてたりすれば良かったんですけどねぇ。ちょっとストレート過ぎたかなぁ・・・とは思いました。モンローとリズのようなキャラだったレニーとゼタですが、地元イギリスでミュージカル『42ndストリート』の主演を張ってたキャサリン・ゼタ・ジョーンズは水を得た魚のようにお泳いでいました。驚いたのは、歌と踊りでは全くの素人だったレニー!素晴らしかったです。歌も上手かったもんなぁ・・・。ジョン・C・ライリーの歌もナンだか上手かったなぁ・・・ギアは笑っちゃったけど!監督はこれが初作品になるコリオグラファー出身の舞台演出家ロブ・マーシャル。舞台版『キャバレー』の共同演出家だったサム・メンデスに負けず劣らずの実績をこの一作で残したワケですね。

 最近はやたらと語り口が上手くなった東陽一の『わたしのグランパ』。この映画は概ね評判が良く、そのほとんどの感想が「文太がいいんですよ!」ってコトなんです!で、主演の菅原文太はやはり素晴らしいです。文太のオーラを感じているだけで十分楽しめます。ただ、それは裏を返せば他の役者陣の存在感の無さを強調しているコトになるワケです。多少なりとも健闘しているのは嶋田久作と光石研でしょうか。新人の石原さとみはこの年齢特有の新鮮味を醸し出していて、それなりに頑張っていますが、平田満、浅野忠信、宮崎美子・・・ほとんど惨敗!で、こうやって考えると、演出する側というのは「ああ、この表情いいなぁ・・・・」とか「上手いなぁ・・・」とか思うと、そのシーンを膨らませたりするモンなんですが、全くそんな事はなかっただろうなぁ・・・と思わされました。結局は「日本ってマジで役者がいないよなぁ・・・」と、感じさせてくれる映画であり、そういう意味では倉田先生などは一般映画にも出演して欲しい役者でもあります。役者って演技の上手い下手以外に、身体から出るオーラが大事じゃないですかぁ! もしこの映画が欧米で映画化されていたら、もっと完成度の高い映画になってるような気もします。結局は、文太が素晴らしい演技を披露したコトによって、邦画界が抱える情けない状況を浮き彫りにしてしまった皮肉な作品とも言えるかもしれません。原作は筒井康隆だったんですねぇ。全く知りませんでした(>_<)アチャ!


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