Deckard's Movie Diary
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2003年04月02日(水)  リベリオン 釈迦

 ナンだかローテーションの谷間のように急に公開された『リベリオン』。近未来SFアクションとか聞くと、またかよ〜!って感じですけど、どうしてどうして!面白いじゃないですかぁ!っつーか、笑ったわ!もちろん「ほほぉ〜♪」と好意的に笑ったんですよ。世界観はブラッドベリの『華氏451』をもっとイっちゃった感じでしょうか(苦笑)。クスリの力で人間の感情奪い取り、徹底的に管理された社会。反乱者を取り締まるのは究極の戦闘武術“GUN=KATA(ガン=カタ)”を体得した“クラリック”と呼ばれる精鋭部隊。そのクラリックで最高のガン=カタの使い手プレストン(クリスチャン・ベール)がやがて、国家に疑問を持ち・・・という、どこにでもあるような話です。そうなると、どこで差別化を計るか?で、この“ガン=カタ”です(苦笑)。“ガン=カタ”は簡単に言ってしまえば、ガン・アクションに刀の間合いを取り入れたようなモノで、銃弾を紙一重で交わして行くわけです。特にラストのアクションは必見!ついつい真似したくなります(爆)。映画が始まって当初、凄腕のクラリックだったプレストンが何故にその社会に疑問を抱くようになったのか?描き方曖昧なので、どうなの?と思っていたんですが、ストーリーが進むにつれて、どーでも良くなってしまいました(>_<)アチャ!それにしてもカッコつけすぎ(爆)

 非常識?で有名な永田雅一率いた大映の日本初の70ミリ作品『釈迦』(61年作)。とにかく目も眩わんばかりの超豪華キャスト!千田是也、滝沢修、中村雁治郎、東野英治郎、本郷功次郎、勝新太郎、市川雷蔵、川口浩、川崎敬三、根上淳、大辻伺郎、山田五十鈴、杉村春子、北林谷栄、月丘夢路、京マチ子、山本富士子、叶順子、中村玉緒、おまけに市田ひろみまで(苦笑)。思いついただけでこんなに出て来ます!物語はオムニバス形式で仏陀が「天井天下唯我独尊」と声を上げながら生まれたところから涅槃に旅立つまでを描いてますが、かなりヌルめです(苦笑)。セットはデカいけども安っちぃーし、衣装もなぁ・・・ボソ。ラストのスペクタクルシーンはそれなりに見応えはありますけどね(笑)。監督は『大菩薩峠』の三隅研次。はっきり言って「どうなん?この演出!」みたいなツッコミどころもありますが、そこは大映の社員監督!脂が乗って来た頃でもありますし、退屈はさせません!後半、仏陀となった本郷の姿が見えないのは明らかに『ベン・ハー』におけるキリストの描き方を手本にしていると思われますが、それはこの映画が一連のハリウッド大作『ベン・ハー』『クレオパトラ』『十戒』等を目指していたコトも影響しているのでしょう。どちらにせよ、この映画によって三隅研次の演出の幅が広がったのは間違いありません。言い換えれば、自分の得意不得意を認識出来たというか・・・そして翌62年に『斬る』という傑作を生み、その後『座頭市シリーズ』を初め、晩年の『子連れ狼』、TVドラマ『必殺シリーズ』まで差別的な宿命を背負った人間が主人公というパターンで、男臭いチャンバラ映画で異彩を放ち続けるワケです。三隅自身が恵まれない出身の上、戦争ではシベリアに抑留され死の淵を彷徨った経験もあるそうですから、この映画は本人なりに思うところがあったかもしれません。そう言えば『眠狂四郎』も混血じゃなかったでしたっけ?ところでダイバダッタなんですけど、あの人って毒死するんじゃなかったけ?で、どうして『レインボーマン』では人類愛に溢れた人だったんですか?謎が謎を呼ぶなぁ・・・(自爆)あ、そうそう!何で“シッダルダ”ではなく“シッダ”なの?というコトで、さぁ!次は『秦・始皇帝』(62年作。同じく超豪華キャストによる70ミリ第2弾!)かぁ(っつーか、何処でもやってねーよ!爆)


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