Deckard's Movie Diary
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2003年02月10日(月)  レッド・ドラゴン アレックス

 さて、気になっていた2本の映画が始まりました。1本目はあの『羊たちの沈黙』『ハンニバル』に続く『レッド・ドラゴン』!今回の監督はスピルバーグに見出され、『ラッシュ・アワー』『天使のくれた時間』で手堅い作品を送り出してきたブレット・ラトナー。ぶっちゃけ(苦笑)普通に面白かったです。まぁ、あんまり期待していなかったらかもしれませんけど、凡百のハリウッド映画が溢れる中、この作品は観客を十分に楽しませてくれます。しかし、あまりに普通過ぎる展開と演出。そこがモノ足りません。前作のリドリー・スコットの『ハンニバル』はジョナサン・デミの『羊たちの沈黙』から抜け出て、リドリーならでは(成功していたかどうかは別)の演出をしていましたが、今回は全くデミ版の亜流です。ただ、芸達者の役者陣の演技だけでも十分楽しめますから、まぁ、いいかぁ!っつー感じでしょうか。わかったコトはレクターには牢屋が似合う!ってコトかな(苦笑)

 それにしても日比谷スカラ座はいつから全席指定になったんですか?ちょっと面倒臭いなぁ・・・・。確かに混んでいる時(例えば土日祭とか)はいいのかもしれませんが、普段の日はねぇ。だって、座ってから前の席にデカイ人がいて、空いてるからいいや!って移動したら、そこへ後から人が来る可能性もありますから・・・。窓口で延々と席を選んでいる女性二人連れとかもいましたし・・・。

 続いて、スカラ座から歩いて5分の銀座シャンゼリゼへ。2本目はあのギャスパー・ノエの新作『アレックス』。昨年の東京ファンタスティック映画祭のクロージング作品で、そこで観た人が大騒ぎをしていた映画(苦笑)。ギャスパー・ノエの作品は『カルネ』、そして『カルネ』の完成度をより高めた『カノン』の両作品とも好きですし、この監督の凄まじい心の叫びも、暴力的に迫り来る演出もけっこう気に入ってます。そういう意味でも期待してましたねぇ。「96分の衝撃!ラスト2分の陶酔!」がキャッチ・コピーでしたが・・・どうなんでしょうか?この映画は! 個人的には「なんだかなぁ〜」の映画でした。ストーリーはどうってコトないんですよ。そのどうってコトない話を魅力的に見せようとして、ちょっと変わった手法(『メメント』とは違うと思いますけどね)で描いてるんですが、それが、ハマってるとは思えないんですよ。策に溺れた映画。つまり迷路を作ったら自分が出られなくなってしまった!みたいな映画です。普通だったら悲しい話しなんだろうけど、全くそうは思えません。ただただ暴力的な演出だけしか印象に残りませんでした。結局、ギャスパー・ノエって人は極私的な話をジクジクと告白している方が似合ってるんでしょう。


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