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2002年10月23日(水) ウェディング・バンケット

1954年10月23日、映画監督のアン・リーが生まれました。
名前や初期(『いつか晴れた日に』あたりまで)の映画の傾向から、
女性監督かと思っていたら、
実は台湾生まれの李安おじさん、
英語名の綴りはAng Lee…でした。

この人には、
父親三部作と言われる台湾時代の作品があります。
以前、そのうちの2作は御紹介したことがあるので、
本日は、残りの1本であるこちらをどうぞ。

ウェディング・バンケット
The Wedding Banquet

1993年アメリカ/台湾 アン・リー監督


プロットだけ読むと、げんなりするほど
「よくある映画」です。
でも、マンネリズムに新しく感じのいい味付けするのも
監督やスタッフの腕というものでしょう。

NY在住のゲイのカップル、ウェイトンとサイモン。
ウィエトンは台湾出身で、お国の両親は、
彼が身を固めることを望んでいますが、
当然、ウェイトンが同性愛者であることを知りません。
が、ウェイトンの母親のお節介で、
お見合い相手の女性を斡旋されるに至り、
おまけに、両親そろってNYに出てくるとまで言います。

これは手を打たなければとなったときに、
サイモン(身内へのカムアウト済み)は、偽装結婚を提案します。
当然、お相手は女性ということになりますが、
白羽の矢が立ったのは、ウェイトンが管理するビルの住人で、
サイモンとも顔見知りのウェイウェイ(上海出身)でした。

両親はウェイウェイを気に入り、早速結婚という運びになり、
盛大な結婚披露宴(ウェディング・バンケット)が
繰り広げられます。
さあて、これで体裁は整った…とはならず、
ウェイトンとウェイウェイは、
とりあえず新婚初夜ってやつをやって見せなきゃならず、
おまけにそれがヒットして、ウェイウェイは妊娠するのでした。
そして、床を一緒にする2人に、
やがてサイモンは嫉妬が隠せなくなり、
真相を打ち明けることなりますが……

ウェイトンの父親を演じたのが、
この映画を父親三部作の一作たらしめる好演を見せた
ラン・シャンでした。
戸惑いつつも、サイモンの好ましい人間性を認め、
決して流暢とは言えない言葉で
しみじみと語り合うシーンなど、非常に印象に残りました。
物のわかったガンコ親父というのもいいものです。

また、「パパ、ママ以外の人間が介在する子育て」という状況が
映画のプロットとして、私の「いいなあ」のツボなので、
この後、生まれてきた子供が
どんなふうに育つのかを想像するのも愉しみです。


ユリノキマリ |MAILHomePage