Dailymovie
DiaryINDEX|past|will


2002年03月24日(日) ストレイト・ストーリー

(アカデミー賞関連企画、最終回)
本日は、『マルホランド・ドライブ』で監督賞ノミネートの
デヴィッド・リンチ、
そして『イン・ザ・ベッドルーム』で主演女優賞ノミネートの
シシー・スペイセクが組んだ、
こんな作品はいかがでしょうか?


ストレイト・ストーリー The Straight Story
1999年アメリカ=フランス デヴィッド・リンチ監督


この作品で、1999年度主演男優賞にノミネートされた
当時78歳のリチャード・ファーンズワースは、
その後、非常に若い女性と結婚したため、
失礼ながら、彼女といられる時間(老い先)は長くないのでは?
というニュアンスのことを聞かれ(本当に失礼ですね)、
「彼女が私より先に死ぬことがあれば、それは仕方がない」
と、茶目っけたっぷりに答えていました。
にもかかわらず一昨年10月、病気を苦に、
衝撃的な自殺をもって生涯に幕を引いてしまったのですから、
返す返すも、残念なことです。

ゴシップネタから始まってしまって済みません…

一言で言って、非常に眠いテンポの作品でした。
あの偉大な変態監督デヴィッド・リンチの手になるものとは
にわかに信じがたいほどに牧歌的なのですが、
ところどころ、「なるほど」と思わせるような隠し味がありました。
それはセリフだったり、シチュエーションだったり、
不思議なカメラアングルだったり、いろいろですが、
ファンの方は1つ1つかみしめながら、
そうでない方も、とにかく手にとって味をみてみてくださいませ。

ストレイトとは、素直に「真っすぐ」と解してもいいのでしょうが、
ファーンズワースが演じた主人公
アルヴィン・ストレイトの姓にも由来します。
音信不通の兄を訪ね、
時速8�劼離肇薀�ターで500�勸幣紊瞭擦里蠅鮃圓�老人の話という、
気の遠くなるようなプロットは、実話に基づいているそうです。
アルヴィンの娘で、ちょっと知的障碍のある女性というのが、
シシー・スペイセクの役どころですが、
いつもながら、嫌みなほどの達者さです。
心に傷を負いながら、同居の父を自分なりに思いやる、
非常に心ばえのいい女性でした。

実はこの作品、初めて見たときは、それほど感心しなかったのです。
体調の悪いときに見たら、
即効で眠りに落ちるなあと想像するに難くない、
そういう感じでしたし、私自身、実際かなり危ない状態に陥りました。
にもかかわらず、冷や酒か親の小言かという感じで、
何日、何カ月と経ってから、じわじわっと来るのがわかりました。
今では、この映画がお好きという人の話の環に加わったら、
かなりマニアックに細かいシーンを挙げられる自信があります。
無理無理盛り上げようとしないラストシーンも、
この映画全体のムードを壊すことなく、非常に好感が持てました。


さて、いよいよ日本時間の明日午前10時から授賞式ですね。
アカデミー賞だけが映画をはかる物差しではありませんが、
全く無視して通れないのも、映画ファンの心理でしょう。
本命がぶっちぎるか、はたまたサプライズが起こるか、
本当に楽しみです。
リアルタイムで授賞式をごらんになれる皆さん、
…すごくうらやましいです。どうぞ楽しんでくださいませ。

では、また。


ユリノキマリ |MAIL |HomePage