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2002年03月07日(木) ポネット

本日3月7日は倉田紗南(さな)ちゃんの誕生日です。
…と、これだけでお判りになる方は少ないと思いますが、
彼女は、以前月刊『りぼん』(集英社)に連載され、アニメにもなった
小花美穂さんの『こどものおもちゃ』の主人公で、
とてつもない出生の秘密を負った人気子役タレントです。
ふだんはお調子者ながら、抜群の勘のよさで、
なかなかに泣かせる演技を披露してくれる役どころでした。

そこで、「少女」で見せてくれた映画の究極かも?と思われる作品を。


ポネット Ponette
1996年フランス ジャック・ドワイヨン監督


タイトルロールの少女“ポネット”を、
当時4歳のヴィクトール・ティビソルが演じ、
(『ショコラ』でジュリエット・ビノシュの娘役)
史上最年少で
ヴェネチア国際映画祭で主演女優賞をとってしまいました。
当時、「無欲の受賞」のように言われましたが、
一体どこまで「わかって」るの?と思われるくらいにナチュラルに、
それでいて、しっかりと「演技」しているのが、
本当に、タダモノではないという感じでした。

母親を交通事故で亡くしてしまったポネットは、
まだまだ幼過ぎて、「死」のなんたるかが理解できず、
いつかママは戻ってくる!
でも、泣いてばっかりいたらダメかなあ…と思いつつ、
毎日毎日、べそべそ泣いてばかりいました。

はっきり言って、
全編これだけを見せるためにつくられたような映画ですが、
彼女がぶつぶつひとり言を言ったりする様子が、
とびきりかわいい4歳児をそのまんま映しています…風で、
その素朴なつくりに、非常に心惹かれました。

泣きべそが地顔になっちゃったように泣いてばかりいるくせに、
結構おしゃまで、基本的に元気で、とにかく素直で…
映画を見ている者としては、
不憫な彼女に本当の意味で同情(同じ気持ちになる)してしまいます。
一段高いところから、「かわいそうに…」と思うというよりも、
4歳児が4歳児なりに持っている心の動きを、
自分の年齢なりにつかめるような気がするのでした。

ラストシーンは賛否両論のようですが、
実は、この映画を私が好きになったのは、
特にラストに理由があった気がします。
皆さんは、どのようにお感じになりますでしょうか。


ユリノキマリ |MAILHomePage