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2002年02月25日(月) アラバマ物語

7年前、1995年の2月25日、
FMラジオの「JALジェットストリーム」での名調子でも
おなじみだった声優の城達也さんが亡くなりました。

城さんといえば、
やっぱりグレゴリー・ペックの声!ということで…

アラバマ物語
To Kill a Mockingbird

1962年アメリカ ロバート・マリガン監督


はからずも、2日続けて「差別」を扱った映画になりました。

ハーパー・リーの『ものまね鳥を殺すには』に材を得た作品です。
「聖書の次によく読まれている」と称されたほどのベストセラーで、
女優デミー・ムーアも、何番目かの子供の名前を
この作品の主人公からとったというエピソードがあります。

1930年代のアラバマ州モービル。
黒人の青年が白人女性を強姦するという事件が発生しました…が、
どうも雲行きがおかしいというか、
白人女性の証言に、あいまいなところが見られました。
本当にこの青年は強姦などしたのか?

その裁判で、黒人の青年の弁護を担当したのが
アティカス(G.ペック)という男でした。
妻に先立たれた彼には2人の子供、ジェムとスカウトがいて、
2人を愛情をかけて育てる中で、
差別の愚かさ、恐ろしさを説いていました。

その時代背景、アメリカ南部という舞台設定を考えても、
黒人というだけで「何するかわからない人種」としか考えない、
そんなうそ寒い状況は容易に想像できます。

失礼ながら、「大根役者」と言われたG.ペックは、
この映画の演技でアカデミー主演男優賞を受賞しました。
確かに、「うまいっ」とうなるような演技ではないと思いましたが、
役柄にぴったりの誠実そうな個性がよくにじみ出いて、
ぴしゃっとはまっていたと思います。

また、いつもオーパーオール姿のおてんば娘
スカウトを演じたメアリー・バダムは、
『サタデー・ナイト・フィーバー』ほか数々の作品を監督した
ジョン・バダムの妹だそうです。参考までに…

昨日御紹介した『招かれざる客』に比べると、
手厳しくて苦い作品ではありますが、
大切なものをたくさん含んでいたと思います。
悩める人物の美しさを御堪能くださいませ。


ユリノキマリ |MAILHomePage