Dailymovie
DiaryINDEXpastwill


2002年02月04日(月) 春にして君を想う

今日2月4日は立春です。まさに「春は名のみの…」ですが、
とりあえず、タイトル(邦題)に「春」の入ったこちらをどうぞ。

春にして君を想う
CHILDREN OF NATURE

1991年アイスランド・ドイツ・デンマーク
レドリック・トール・フリドリクソン監督


どこの国でも、
映画フィルムを保管するセンターやライブラリーを
所有していますが、
アイスランドの「それ」は、世界一お粗末という噂があります。
それでいて、ヨーロッパの小国の中で唯一といっていいほど、
一国の資本だけできちんとした映画を撮っている国でもあるとか。
本日の『春にして…』は3国乗り入れだったものの、
フリドリクソン監督は、
『コールドフィーバー』『精霊の島』の2作品を、
アイスランド単独資本で撮っています。

この映画の何がいいって、
何といっても「邦題」でしょう。※
何か懐古調というか美文調というか、
しっとり、静かな感動を期待してビデオを手にとること必至です。
(私もそうでした)
映画としては地味なことこの上ないのですが、
少なくとも、邦題のイメージを余り裏切らない内容です。
※無知をさらすようで恥ずかしいのですが、
このタイトルは、アガサ・クリスティの
『春にして君を離れAbsent in the Spring』
のもじりですね、多分。
後からこのタイトルを知り、気づいたのですが。(2004.1.17)


アイスランドのある寒村で農業を廃業した老人が、
レイキャビクの娘一家のもとに身を寄せるけれど、
居心地の悪さから、求めて老人ホームに入り、
そこで同郷の女性と再会したことから、
この静かな映画に動きが出てきます。

言葉少なに、でも丁寧に展開されるこの作品は、
何が起こっても、「ああ、はいはい」と見過ごしてしまいそうな、
どこか浮き世離れした感じがありました。

アイスランドといえば、
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』
女優としても認知された感のあるビョークの出身国でもあります。
この映画にもほんの少しですが、
彼女の人気ぶりが窺われるシーンがあったものの、
老人にとっては「けたたましく」響くようですね。
確かに、この映画には似つかわしくありません…

ビデオショップで探すときは、
どっちがサブタイトルだかわかりゃしない、
「ミッシング・エンジェル」なるタイトルにも
注意なさってみてください。
そのタイトルには、
「天使で有名なあの映画」にまつわる
隠し味もあるようです。


ユリノキマリ |MAILHomePage