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2001年11月05日(月) ペーパームーン

11月5日は、
元女優のテータム・オニールの誕生日です(1962年)。

元ハズのマッケンローとの破局以来、話題を聞かないのですが、
今は何をなさっていのでしょう?
才能のある人だけに、惜しい気がします。

そんな彼女が、9歳でオスカー助演女優賞をとった作品は…

ペーパー・ムーン Paper Moon
1973年アメリカ ピーター・ボグダノヴィッチ監督


ペーパームーン…「紙のお月さま」とは、
映画の挿入曲にもなっているスタンダードナンバーの、
「紙でできた月だって温かい」という歌詞に由来しているのでしょう。
紙でできた月、つまりは「偽物」ですが、
この映画では、偽物の親子関係に当てはめられます。
もっとも、「うそか本当か」という微妙な親子関係でしたし、
演じていたのは、プライベートでは本当の親子という凝りようでした。

ケチな詐欺師モーゼ・プレイは、知人の女性の葬式に駆けつけ、
彼女の遺児アディを親戚の家に送り届ける役を押しつけられます。
ちょっとしたお金目当てで引き受けたのですが、
アディはしおらしくいじらしい子供…なんかではなく、
ちょろいと思っていたこのお役目のせいで、
ドタバタの珍道中が繰り広げられるのでした。

『ハリーとトント』などの
心優しい名作を世に送り出したボグダノヴィッチが、※
一番好感度が高かった頃の作品でしょう。
※11月6日分の冒頭に、これに関しての訂正が記載してあります。
よく考えると世知辛い話ではありますが、
モノクロが効果的に使われたノスタルジックな画ヅラもいいし、
テータムの名演技は、「一発屋」という意味ではなくて、
これ1本で彼女という女優を語っても
差し支えないのではと思うほどのものでした。

アディはモーゼを、
ひょっとしたら自分の本当のパパではないかと思うのですが、
モーゼは何度聞かれても否定します。
最後の最後まで、結局真相はわからないのですが、
別に「瞼の父」を求める話ではないので、このあたりのことを、
「どーでもいいじゃん、そんなこと」という気持ちになるように、
それでいて捨て鉢になるわけでなく運ぶやり方が、
すてきなドキドキにつながっているのもいい感じでした。

以下の文章は、ある映画批評系のサイトに私が投稿したものを、
そのまま写させていただいたものです。
この映画には、こんな思い出もありました。

鳥山明さんの『Dr.スランプ』が80年代に
週刊少年ジャンプに連載されていたころ、
扉絵のアラレちゃんと千兵衛さんが、
それぞれテータム・オニール(風)と
ライアン・オニール(みたい)に描かれて、
三日月にちょこんと腰かけているというものがあったのを
思い出しました。
確かにアディ役のテイタムは“つおい”女の子だったし、
スケベでちゃらんぽらんなところ“だけ”は、
千兵衛さんとライアンが演じたモーゼ・プレイ役、そっくりでした。
今思うと、意表を突いているようで、
何と的確なパロディーだったことか。
鳥山さんもあの映画がお好きなのでしょうか?


ユリノキマリ |MAILHomePage