クリスマスに欲しかった 携帯音楽レコーダーを 買ってもらった北斗は 一日中、なにかを聞いていた。
側に銀河がいて 話し掛けても
「なにか言った?銀河」
こんな感じ。
最初は北斗の部屋でゲームしてて 気にもならなかったけれど 側でにやにやしている 北斗を見ていると なんだか。
----寂しい-----
「なあ北斗」 「・・・・・」 「今年は大きなケーキ食べれるかな?」 「・・・」 「北斗・・・」 「・・」 「明日、うち、誰もいねーんだ」 「・・・・」 「だから朝まで二人きりで過ごそうぜ」 「・・・」
聞こえないか。
銀河はため息をついて 帰ろうとした。 その手を北斗は掴んだ。 「北斗?」 にっこり。 「じゃあ、明日は銀河の部屋で お楽しみだね」 「な!聞こえてたんじゃねーか!」 「ん?たまたまね」 「たまたまって。聞こえてたのにシカト してたのかよ!もうしらねー」
「ダメだよ銀河」 北斗が差し出す携帯音楽レコーダーから 聞こえる銀河の声。 「録音しちゃったから 銀河からのお・さ・そ・い」
「この!ボケッ!」
どかっと殴って涙目で帰っていく銀河。
トホホと笑いながら ずっと苦笑。
明日はクリスマス。 ほんとは誰かの誕生日。 それにカッコつけて 楽しんでもいいよね。
あの日だけは特別の日の筈だから。 世界的に。
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