ひびき(日々記)
「夢を叶えて 夢になりたい」

2007年02月19日(月) ちゃんと知らない人の唄が

歩き疲れては
夜空と陸との
すきまにもぐりこんで

草に埋もれては
寝たのです
ところかまわず
寝たのです

歩き疲れては
草に埋もれて
寝たのです

歩き疲れ
寝たのですが
眠れないのです

高田渡(故):生活の柄
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稽古の〆に最近は
なぜかしらこの唄を歌う

僕はリアルタイムの高田さんは全く知らない

歌詞とメロディは僕が持っている
「ベストオブベルウッド」という
オムニバスのCDがあるからだ

そして今はなき
カップオブサンのマスターが
酔っ払いながら歌ってたことで
輪郭だけは知っていた

僕にとっては
リアリズムなどないはずの唄が
今やけに胸に響いている

そのカップオブサンで
むかし一度だけ高田さんを観た

曲が途中で止まる

???と思っていると・・・

寝ている!?

寝ているのだ!

ライブの最中に寝ているのだ!

しばらくして我に返り
また続きを歌い始めるのだ!

その光景を
ファンは親しみこめて楽しんでいる

「なんぢゃこのおっさん!?」

高田さんの過去を全然知らなんだ僕は
無知ゆえにかなり不謹慎なヤツだった

こんなおっさんの戯れ事を
ライブとして認める気にはなれなかった

アホだった

「ライブで寝る」

そのスゴさが分からんかったのだ

僕にとってライブは未だ非日常だ

緊張する
テンションがあがる
生活に費やす自分にフタをする
ええライブをした時に開放されるスピリッツ

それは決して悪いことじゃないとは思うけど
逆に言えばライブを生活に取り込んでいない証でもある

「音楽が生活だから舞台で寝られる」のだ

そんな故人の唄が

今やけに胸に響いている


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