囚はれのシネマ日記
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| 2006年04月15日(土) |
松崎にて、つぐみに出逢ふ |
西伊豆の松崎へ。 つげ義春の「長八の宿」で知られる松崎。 長八は松崎出身の漆喰の画家であり、この町はその「長八」と漆喰のなまこ壁で知られる。 下田からバスで1時間といふ足の便の悪さのため、観光地としてはそれほど賑はつてはゐず、鄙びた海辺の町のいい感じをかもし出してゐる。 海、山、川、温泉、桜(もう葉桜だつたが)、川端康成ではないがここには日本の風景のすべてがある。
五月の連休までは田んぼを花畑にしてゐる(↓)
明治時代に村人の寄付によつて建てられた岩科学校、やはりなまこ壁(↓)
なまこ壁、海鼠色をしてゐる(↓)
河口ちかくの那賀川にもなまこ橋がかかる(↓)
長八美術館のガラスばりのカフェ(↓)
海岸ちかくのこの宿、映画「つぐみ」の撮影現場と看板に書いてあるが廃業したらしい(↓)
この日は源泉の宿「山芳園」に泊まる、その部屋の庭。4月はじめには那賀川沿ひの4kmにおよぶ桜が満開だつたさうだ。(↓)
帰つてから「つぐみ」のヴィデオをさつそく見た。 松崎の町、海、なまこ壁、長八美術館が観光映画のやうに再現される。 舞台はたしかにあの旅館、つぐみの家だつた。 つぐみはあの旅館の末娘で、生まれたときから超病弱だつた。 そのため運動のたぐゐは一切できず、特別な女の子に育つてしまつた。 わがままで放埓で毒舌の、悪魔のやうな女の子に。 母親のことを「うちのババア」と言ひ、「こんな旅館つぶしちまへ」と毒づいて父親に殴られる。 従姉妹が久しぶりに帰郷すれば「タダメシ食ひのブスが来たぞー」と喜び、 恋人が小さい頃の発作の話をすれば「外国の旗なんか見てやり過ごしてんぢやねえよ、ばかやろう…」としんみりする。 つぐみはなんて憎らしくも可愛い女の子に育つてしまつたんだらう。 原作は吉本ばなな。 吉本隆明がやはり西伊豆の土肥の海で溺れかけたことがあるが、吉本一家は西伊豆が気に入り、たびたび家族旅行をしたんではなからうか? そんなことを思ふのだつた。
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