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2002年02月15日(金) 太陽と月に背いて

どうも。前回「次はやっぱ『トラフィック』だな」などと公言しておいて180度違う作品を観ている嘘吐き管理人です。いや、ほんとに『トラフィック』借りるつもりだったんですが、私が行ってるビデオ屋さんではまだ新作扱いにつき長期レンタル不可だったですよ。あまり頻繁に通えないので長期OKな作品しか借りられないのです。

ええと、この作品が公開された1995〜6年頃というのは日本でもまさにディカプリオブーム到来!だった気がしますが、当時レオ様ぁ〜と黄色い声を上げていた少女達はこれを許容できたのかなあ、とちょっと余計な心配をしてみました(今更)。
19世紀フランスの天才詩人ランボーと彼を見いだしたヴェルレーヌ。ランボーという人は16歳でかの有名な『地獄の季節』を書き上げ、その3年後、小林秀雄風に言えば「19歳で文学的自殺を遂行」し、37歳で一商人として死にました。それでこの映画は、ヴェルレーヌと共にあって詩作に励んだ3年間を主に描いております。
ディカプリオ演じるランボーは非常に奔放で傍若無人で傲慢なのですが、その言動ひとつひとつが少年らしい雰囲気に満ちていて私は良いと思いました。対照的にヴェルレーヌ役のデヴィッド・シューリスという俳優さんの鬱屈した詩人ぶりがまた見事でね。放蕩あり、同性愛あり、暴力あり。けれど詩人というものは、どんなに汚れても無垢なのです。



内容とは無関係ですが、先日回答した映画100Qでも触れましたが、この「太陽と月に背いて」という邦題は実に文学的だと思いませんか。ランボーの詩に関連した言葉なんでしょうか。その辺詳しく知りませんけれども。あと、公開時のキャッチコピー?というか宣伝文句「わたしは妻の肉体(カラダ)よりもランボーの才能に、欲情した」というのも、こう、すごくそそられるものを感じます。上手いなあ。 実際には妻の肉体にもしっかり欲情してるけどねヴェルレーヌ氏。

ところで私は徳間文庫から出版されてるこの映画のノベライズを持ってまして、その解説によると、この作品制作以前に、リバー・フェニックスがランボー、ジョン・マルコヴィッチがヴェルレーヌという配役で(監督ももちろん別で)映画化される話があったらしい。またですか?!またですかリバー!「バナナフィッシュ」のアッシュ役(という話が昔ウワサになりませんでした?真相は未確認ですが適役だよ…)といい、「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」のインタビュアー役(いえこれはクリスチャン・スレーターで十分満足してますが)といい、生きていたら演じるはずだった(かもしれない)数々の逸話を残して死なないで下さいー。くっ…、…惜しまれます。彼がランボーを演じたら、ディカプリオとはまた違った、憂いを帯びた危険な神童が見られたのではないかなあ、と、思いました。


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太陽と月に背いて 【TOTAL ECLIPSE】
制作:1995年イギリス / 日本公開:1996年
監督:アグニエシュカ・ホランド
主演:レオナルド・ディカプリオ、デヴィッド・シューリス
(ビデオ鑑賞)


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