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一昨日読了の本
・服部真澄「清談 佛々堂先生」講談社
あの「龍の契り」「鷲の驕り」「ディール・メイカー」の服部真澄と 同じ人? と思った程違った作風。 難しいサスペンスといった感の3作に対して、 今回ののなんと飄々たるものか。
佛々堂先生は西方きっての数奇者。 諸芸に通じ、美術工芸品の収集家。 その先生が毎度ケレンを込めた宴を催す。 飄々とした粋で博学な先生の遊びは必ず他人を巻き込んで、 巻込まれた人は何がなんだか解らないうちに先生の策にハマってしまう。
美術品の知識が若干でもないと解らない部分が多いです。 「ひらがな日本美術史」を読んでいて良かったと思いました。 佛々堂先生の宴の手の込み方は、一捻りも二捻りもあって、 ちょっとしたミステリのようです。 謎が解き明かされた時の痛快さ、そのケレンへの憧れ、 作風は違いながら、服部真澄ならではの周到さを感じました。
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羊さんとキャサーン話してました。 なんつーか、全然ホメてないし(笑) でもホメてないのにお薦めする、 その気分解ります。
ミッチーを見るのに、 目を覆った手の、指の間からこっそり見るような、 キャサーンもそんな映画なのかもしれません。 大画面で、勢いで観ないとダメっぽいので、 やっぱり何とか時間を作りたいものです。
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