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2002年10月24日(木) 黒と茶の幻想

今日の日付を確認したところで、意味も無く唐突にイブまで後二ヵ月…
とか思ってしまった。

季節の巡るのが、早すぎる気がする…。

***

図書館に行って、雑誌だの何だの探そうと思ったのですが、
どうしても読み始めてしまった本が止められないので、
図書館は週末まで待つ事にしました。

とりあえず別冊はコピーになりそうで、
それだともう少しゆっくりしてても大丈夫そうだから。

羊様、蜂様、またいろいろお世話になります。
感謝!

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あ、昨日の日記、一言だけ注釈付けました。

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本日読了の本

・恩田陸「黒と茶の幻想」講談社

 恩田陸というのは、つくづく人間を書かせると上手いと思う。
 いや、人間ではなく、人間関係なのかもしれない。
 それは、観察眼の成せる業なのか、先天的に読み取る才を持っているのか、
 読んでいて怖いほど、それぞれの人間の思考の、違いや過程を、
 手に取るように…と錯覚させるほどのリアルさで見せてくれる。

 であるからこそ、主人公の居ない小説…
 とでも言うような物語を描く事ができるのであろう。
 登場人物達それぞれの目線から、まるで数学の集合の図のように
 一部分ずつが微妙に重なり合う、過去の経緯とそれぞれへの想いを、
 どれか一つ…という事なしに、端正に並べてくれる。
 そこには、他人故に知り得なかった他者の営みや生き方考え方が、
 あぁ、こうすればああなるのか…と妙に納得させられるような、
 見事に説得力ある描写で書かれている。

 出て来る人物の内、二人に関して、
 非常に似た人間を知っているな…と感じた。
 物語に出て来る様な人物だから、その設定はかなり極端で、
 シンプルに解りやすく描かれているのだが、
 だとすると、実在の似た人間も、それなりに極端なのか、
 はたまた小説に出て来るくらい、ある種の性格の典型みたいに
 実は珍しくないものなか、それはどうも判断がつかなかった。

 けれど、私はそのどちらの(しかし両極端とも言えそうな程違う)
 人物にも惹かれるものを感じたし、逆に反発も覚えた。
 そしてそれは、似た実在の人間の、何に自分が惹かれ、
 何に引っ掛かりを覚えたのか…という事の解答にもなったと思う。

 恩田陸は、人間を書かせると上手いと思う。
 なまじSFがかった、又は幻想的なイメージのミステリーより、
 こういうストレートな人間本来の心の有り様を書いたものの方が、
 私には遥かに面白く、また、凄いと思えるのだった。

 620pものぶ厚い本であるにも関わらず、
 どうにも読む手を休められなかった。
 ひと度読み始めたら、今自分が書いている物語どころでは無く、
 10分でも15分でも、文字通り寸暇を惜しんで読み通した。
 これだけ長い小説を、こんなに早く読み切ったのも、珍しいと思う。
 最近使える時間が少ないから、僅かな時間も極度に集中したのかもしれない。

***

日記には書きにくい話を別場所に書いてみる事にしました。
鳥様、真似っ子しいで、すみませ…。

いやもうホント、誰も聞きたくない話 ですもんなぁ(笑)
アレな話がお嫌いな方は、探さない方が良いです(苦笑)

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どうでも良いけどカカシさん、額当てが後ろ縦結びなんですけど…。
すっげぇ、気になる…。

あれ、原作でもそうでしたっけ?


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