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2002年09月12日(木) 虚と実の揺らぎ

えほん館機関紙到着。
作業します!

***

昨日読了の本

・芦辺拓「グラン・ギニョール城」原書房

 某所お薦め本から。
 山の上にある古城の中で巻き起こる、人々の思惑。そして虚と実の揺らぎ。

 いやはや何というか、こういうコンセプトのミステリを読むのは初めて。
 いや、ミステリで無ければあったかもしれないが、それでもこんなに面白いと
 思えたのは初めてかもしれない。
 
 前半と後半の端境部分で、ちょっとノリきれなくなってじたばたしたが、それもすぐに解消。
 身近な単語なども相まって、更なる虚実の揺らぎにハマって行くようでなかなかに怖かった。
 ミステリとしても、これだけ複雑なのにどうして?というほど解りやすくて不思議である。
 いや、解りやすいというのは勿論、すぐに謎が割れるという意味ではなく、
 解答が提示された時、なる程…と納得できやすい…という意味なのだが。

 ミステリ読みとしての基礎知識がしっかりとあったなら、もっともっと楽しめるもの
 なのだろうとは思うのだが、そういうモノが全く無くても趣向だけで充分楽しめる、
 そういう部分が大変に嬉しい。

 多分、紹介されていなかったら決して手に取る事はなかったであろう本、
 こういう本に巡り合えたのは非常にラッキーというべきであろう。

 +++

 しかしこの本を読んで、真崎守の漫画「キバの紋章」を連想するとは…。
 ちょっと普通じゃないかも…と思ってしまった。 

***

めいめい>切な系ではなく、情けな系でわ? 駄目?


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